日本の製造業界の課題に挑む
プラットフォームの構築:後編
開発パートナーとしての
想像を超えた熱量や活躍に感銘
株式会社山善
- 株式会社山善
- 営業本部 営業企画部
ゲンバト推進室 リーダー - 秋村洋輔 様
生産財と消費財の専門商社である山善様における新事業立ち上げプロジェクトを振り返る本シリーズ。前回はゲンバト(※)立ち上げの背景を紹介した。今回はサービス設計やリリースまでの振り返りと今後の展望について、引き続きプロジェクトリーダーの秋村氏に伺った。
(※)ゲンバトは山善が提供する製造業界向けプラットフォーム。製造業の営業活動を支援するマッチングサービスや業務効率化を支援するサービスなどあわせて14サービスで構成されている。
我々と同じ高い熱量で取り組んでいただき期待以上のはたらきをしてくれました“
製造業界の課題解決に挑むべく新事業の計画に着手した秋村氏。販路拡大による収益創出と業務効率化の二軸で中小製造業を支援するサービスを構想した。
業界柄、Webサービスに対する抵抗感が強いこともあり、導入の心理的ハードルを下げることには特にこだわった。過不足無く必要な支援を選択できるよう支援内容ごとにサービスを小分けに、そして、投資予算の少ない企業でも導入しやすい月額定額のサブスクリプション型とした。まさにサービスのスローガンである「現場にちょうどいいデジタルを」を体現し、製造業界のプレイヤーと日々深いやり取りをする同社だからこそ提供できる価値が詰まったサービスとなった。
早期リリースを目的とした複数のベンダーを利用するプロジェクト体制
同社にとってはゲンバトのようなWebサービスの立ち上げは初めての取り組み。コンサルティング会社と連携しながらビジネス計画を詰めていったという。 システム開発に伴い、当初はフルスクラッチでの開発も視野に入れていたようだが、市場には既に競合サービスや類似サービスがあることから、それらと大きく差がでないよう早期リリースを重視し開発体制のあり方を考えた。 その結果、ゲンバトを構成する各種サービスについて、それぞれの強みをもつ会社に発注する形で進めることになった。その中でディマージシェアは中小製造業者の販路拡大および収益創出支援サービスである製造業者とメーカーのマッチングサービス「ゲンバトエンムスビ」の開発を担うことになった。
ディマージシェアへ発注した決め手となったもの
「ゲンバトエンムスビ」の開発においては、パッケージ製品を活用して開発を進めることで早期リリースを目指すこととした。そこでマッチングシステムのベースパッケージ「Matching xC(マッチング クロスシー)」を提供する当社を知ったという。 複数社で比較検討をしていたとのことだが、当社に対する信頼が決め手となりご縁をいただくことができた。 開発の進め方や価格の根拠など、同社が気になる点一つ一つを漏れなくつまびらかに説明し、不安や懸念を解消したことが信頼につながったとのことだ。
「提案の段階でここまで丁寧にやってくれるとは予想もしていなかったこともあり、信頼の置ける会社だと感じていました。いくつかの会社を比較していましたが、担当者としてはディマージシェアさんにお願いしたいと思っていたんです。上司も同じように感じたようで、ディマージシェアさんなら安心して依頼できると納得してもらえて決定できましたね。」 その後その他サービスの開発会社など、合計6社が集結しゲンバトプロジェクトが開始した。
想像を超えるディマージシェアの熱量と、期待以上のはたらきへの評価
当社が開発を担当した「ゲンバトエンムスビ」について、リリースまでの開発期間を振り返っていただいた。 特に印象に残っていることとして「真摯に向き合う姿勢」 と 「他社ベンダーへ良い影響をもたらしたこと」をあげていただいた。
まず、「真摯に向き合う姿勢」に関しては、同社の納得がいくまで時間をかけて共通認識を形成したエピソードを挙げていただいた。
開発の前工程にあたる要件定義では、開発するシステムに必要な機能や要件などを具体的に定義していくが、この定義が曖昧なまま開発が始まってしまい上手く進まない…といったことも珍しいことではない。
本プロジェクトも例外ではなく、要件定義終了後の開発段階であらためて要件の確認をするため、大阪―東京の遠隔でのやり取りではなく対面で話す場を設けた。 朝から晩までみっちりと話し合ったものの同社のすべての疑問は解決しきれなかったため、追加でその翌日もまた終日かけて話し合ったという。 この時、同社の熱量と同じ熱量をもって真摯に向き合う姿勢がありがたかったとのことだ。
「1日だけならまだしも、また明日の朝来ます、と当然のように言ってもらえたことはありがたかったです。特にプロジェクトマネージャーを担うエンジニアの方ってスマートに仕事を進めるイメージがあったんです。我々はお客様の業界柄もあって地道さとか泥臭さとかそういったコミュニケーションを大事にしているのですが、その感覚がディマージシェアさんと合っているように思えて嬉しかったです。」
また、複数のベンダーが関わるプロジェクトだからこそとして、 当社のプロジェクトに対する姿勢が他社ベンダーにも良い影響を与えていたことが印象的だったという。同社の要望に対して当社が率先して具体的な実現方法を示したことなど、「轍を作ってくださった印象です。プロジェクトを先導する立場である我々と同じ熱量をもって動けるパートナーはいないだろうと思っていたこともあって、期待以上に活躍していただけたことがありがたかったです。」と当時を振り返る。
プロジェクト参画企業が多いため、各社の取りまとめに労力がかかることは想定していたとのことだったが、当社が他社ベンダーに対しても良い影響を与え士気を高める役割を果たしたとして評価いただけた。
これからの展望と当社に期待すること
製造業界が盛り上がれば同社にとっても良い影響が出るので、目先の利益にとらわれるのではなくじっくりとこの事業を育てていきたいと秋村氏は語る。 また、導入会社の中には「自分たちの実態をよく知る山善のサービスだから信頼できるし、よく考えられたサービスになっている」という声もある。 この声を受けて秋村氏は、「もの作りに深く関わってきた山善だからこそ展開できたサービスだと思っています。今後も製造業界の現場のリアルな声を集めて課題解決につなげていきたいです。」と決意を新たにした。
これからも山善だからこその機動力を活かして現場の意見を吸い上げ、顧客の事業継続に貢献していきたいという熱い想いが伝わった。 ゲンバトエンムスビに関しては将来的には海外展開も視野に入れているとのことで、当社には、引き続きビジネスパートナーとして同社以上の熱意でもって同社の事業構想やスピード感に伴走することを期待いただいた。今後も同社の期待以上の役割を果たせるよう、邁進していきたい。
「ゲンバト」サービス詳細はこちらから:https://genbato.jp/