大規模エンタメサービスの保守開発
保守と開発の両輪でスピーディーなサービス展開に追従
株式会社CAM
- Creative Division
- 伊藤 理様
- Creative Division
- 小髙 永悟様
50:50の関係性だと思います。
発注しているという感じはなく一緒にやっている感じはありますね。
サイバーエージェントグループに所属し、デジタル占い事業やアーティストファンビジネスを手掛ける株式会社CAM様。アーティストファンビジネスにおけるサービスの保守開発をディマージシェアが担当している。本インタビューではエンジニア部門全体を統括する伊藤氏と、各サービスを技術的な観点から統括する小髙氏にお話を伺った。
「Be a Fanatic.」ファンを熱狂させるサービスを提供する
同社が展開するアーティストファンビジネスとは、国内外問わず圧倒的な人気を誇るアーティストやアイドルグループと提携し、ファンへ向けたサービスを企画・提供するものである。最新情報・会員限定コンテンツの発信やチケット先行予約、グッズ抽選といった機能を持つオフィシャルファンサイトの運営や、アーティストからプライベートメールが届く会員向けメール配信サービスをはじめ、アーティストごとに多種多様なサービスを展開している。
弊社が携わるのは、3つのアイドルグループにおけるオフィシャルファンサイトや関連サービスの保守開発である。会員数を多く抱える、同社の主軸となるサービスとのことだ。「アーティスト自体の認知度が高くサービス規模も大きいので当社が重要視しているビジネス領域の一つです」と伊藤氏は語る。
優秀なエンジニアを抱えながら社外リソースを活用する理由
伊藤氏や小髙氏をはじめ、同社は優れたエンジニアを多く抱えている。弊社が保守開発に携わる以前は自社で保守開発を行い内製化していた。前述のように同社において大規模かつ重要なサービスの保守開発をなぜ弊社のような外部の会社に依頼しているのだろうか。
弊社が保守開発に携わる各種サービスは会員数・サービス内容ともに勢いがあり大規模なものでありながら、サービス開始から10年を超えるものもあることからその売上や運営は安定したものとなっている。 この保守開発に外部リソースを活用し、社内のエンジニアを他サービスや新規サービスの立ち上げにあてることで、よりビジネスを拡大させたいということが弊社への依頼理由である。
当初は1つのアイドルグループの関連サービスの保守開発から始まった。その後更に対象を広げ現在では3つのアイドルグループにおける全8サービスの保守開発に弊社が携わっている。
メンテンナンスのためではなく、サービスを拡大させるための保守開発
「保守」と聞くと不具合の修正や脆弱性への対応など、何かエラーが発生したら対応する「メンテナンス」の印象を受けるかもしれない。しかし本案件はそのような一般的なシステム保守とは一線を画す。
同社が担当する各種サービスはアーティストを盛り上げ、ファンを熱狂させるために、常に新しい企画が生み出されている。そのため、同社のサービス企画やパートナー企業の要望に合わせて、随時新規機能や画面の新規開発が必要となる。エンタメ業界特有のサービス変遷の早さへの理解とそれに合わせた対応が重要なのだ。
つまり、単なる外部のリソースとして捉えられているのではない。同社のエンジニアと同等もしくはそれ以上に、サービスを自分事として捉えるマインドと高品質を維持しながらも迅速に対応するスキルをあわせもったパートナーであることを求められているのだ。
同社の事業展開のスピード感を理解した上で柔軟かつスピーディーに対応するために、弊社では仕様書を整備することで保守開発効率を上げている。サービスへの理解と効率的な保守開発を行うための仕組み作りをすることで同社の安定したサービス運用を支えている。
また、提携しているアーティスト・アイドルグループや同社自体の知名度が国内外問わず上昇していることもあり、セキュリティ面においても強固な状態にすることが重要であるため、最新の技術動向のキャッチアップも欠かせない。
「当社だけでなくサイバーエージェントグループ全体として技術動向にはかなり高くアンテナを張り、トレンドの技術やツールなどをスピーディーに取り入れて事業を回していきたいという思いがあります。なので、開発手法や環境など現状の開発スタイルを維持して改善していく・不具合を修正していくというよりも、必要であれば現状の仕組みごと変えてより強固なシステムを作っていきたいと考えており、それにディマージシェアさんはついてきてくれていますね。疲弊することなく追従してくれるのでありがたいなと思います。」と従来のシステム保守とは全く異なった攻めの姿勢を弊社に求めていることが伊藤氏の発言からも窺え、それに対する弊社の姿勢についても評価いただけている。
また、長く取引が続く理由は対等な立場を構築できていることにあるとのこと。 「50:50の関係性だと思います。発注しているという感じはなく一緒にやっている感じはありますね。」
立場上、パートナー企業と直接やり取りを行うことが多い小髙氏によると、 「サービス運営にあたり、当社だけでなくパートナー会社など様々なプレイヤーが関わるのですが、『できる/できない』『こうすればどうだろうか』というようなことを各プレイヤーに臆することなく言ってくださるのでそれが信頼につながっています」とのこと。
ともすれば発注者・受注者という上下関係が生じ受注者側が受動的になってしまいがちだが、弊社の日々のコミュニケーションから共にサービスを創るパートナーとして評価いただけている。
サービスを共に創るパートナーである弊社に期待すること
今後の展望として、現状の保守開発範囲を更に広げていくことや、同社で内製化している他アーティストのサービスへ保守開発を広げていくことを挙げていただいた。今後も代替のきかない、サービスを共に創るパートナーとして同社やパートナー企業のビジネス・サービスを理解し、変化の早さに柔軟に対応する姿勢を貫きたい。