独自の事業戦略に沿った顧客情報管理システムの構築
株式会社アールシーコア
- 取締役 経営企画部責任者
- 宮本 眞一様
- BESS事業本部 営業推進部
- 高梨 友子様
我々の経営理念や事業内容、独自の事業戦略を十分に理解していただいていると感じています。
今後もビジネスの変遷に合わせて柔軟に支援していただけることと確信しています。
ログハウスなど自然材をふんだんに使用した木の家の住宅ブランド「BESS(ベス)」を展開される株式会社アールシーコア様。顧客情報を管理するにあたり、同社独自のシステムを弊社が開発した。
決して押し売りはしない、ブランドが伝える価値観を好きになってもらうための戦略
BESS事業では”「住む」より「楽しむ」”のスローガンのもと、BESSでの暮らしを通して得る幸福感、「ユーザー・ハピネス」の実現を目指している。 そのため重きを置いているのは、家の機能や性能を打ち出すのではなく、住んでからの暮らしに共感・好感を抱いてもらえるか。
機能性の良し悪しよりも、そこでの暮らしが「好きか嫌いか」、着るものや食べるものと同じように住む家も感性で選択してもいいのではないかという考えの元、顧客の感性を揺り動かすための独自の戦略を企画・実施している。
BESSでの暮らしを伝える場として欠かせないものが、全国40拠点(2021年6月時点)にあるBESSブランド単独の住宅展示場「LOGWAY(ログウェイ)」だ。
普通、住宅展示場というと購入検討者との商談の場と捉えられるが、ここはあくまでBESSでの暮らしを体感してもらう場。購入検討者はもちろんのこと、家を建てる予定の無い方でも足を運んでもらい、理想の生き方を考えるきっかけの場になればと運営している。 展示場の捉え方も業界内で見れば独特だが、ファンがファンを育てる仕組み作りをしていることもまた独特である。
その仕組みの一つとして「LOGWAYクラブ」という有料会員制のファンクラブがあり、BESSブランドに好感を抱いていて、これから購入検討をする人たちが入会している。 そこでは会員と、「コーチャー」と呼ばれるBESSを購入したユーザーとの交流の場も提供。コーチャーはボランティアとして、オンライン・オフラインでのイベントを通してリアルな暮らしぶりを発信している。
BESSのファンとコーチャーの交流を通して、ファンがファンを増やし未来のユーザーを生み出すという仕組みが形成されている。
LOGWAY来場者の情報を管理するための自社独自のシステムを構築
ディマージシェアが開発したのはLOGWAYの来場者情報を蓄積するための顧客情報管理システム。
全国のLOGWAYスタッフが来場者との会話内容やLOGWAYクラブへの入会状況、その後のやり取りなどを本システムに記録している。再度LOGWAYに来場した際などに記録を参照し、適切な案内ができるよう役立てているとのことだ。 全国の拠点を統括する営業推進部では、システムに蓄積された情報をもとに各拠点の状況を把握・分析し、顧客に対する戦略やLOGWAYで働くスタッフに対する施策などを立案している。
どうしたらよりブランドを好きになってもらえるのか、それをお手伝いするために情報を蓄積したい
顧客情報を管理するシステムは世にたくさんあるが、あえて独自のシステムを構築しているのはなぜか。それは顧客情報を蓄積させる目的にある。 アールシーコア様が接する顧客は購入を現実的に検討している段階から検討予定の無いもののブランドのファンである段階まで様々なステータスが存在している。
「お客様が初めてLOGWAYに足を運ばれてから10年後にBESSを購入されたり、初めは購入するつもりはなかったのに、LOGWAYへ足を運ぶうちにこういうのが好きだったんだと確信して購入を検討されるようになったりといったことも珍しいことではありません。」と営業推進部の高梨氏は語る。購入に至るまでの期間やプロセスも様々であることが伺える。
様々な顧客がいる中で共通しているのは、BESSでの暮らしに好感を持ち、その気持ちを育てているということ。それがなければ購入はもちろんのこと、「コーチャー」という仕組みも成り立たないだろう。
「顧客情報を管理するとなると、購入までの商談の記録を積み重ねていくものが多いんです。当社は住宅業界では珍しくファンクラブを運営していることもあるので、成約する・しないだけでなく、ブランドのファンを育てていくことも重要視しています。」
事業として顧客を購入までつなげることは勿論だが、BESSでの暮らしをより好きになってもらうためにどう手伝いができるのか、そういった観点でも顧客情報を蓄積し分析したい、ということがシステムに対して期待することだった。そのことからパッケージを導入してその枠の中で運用をしていくよりも、フルスクラッチで独自のシステムを構築して顧客情報を管理することを選ばれた。
事業・業務への理解があるからこその対応
管理画面や搭載機能など、独自の仕組み・業務に対応したものになるよう細かく要望をいただき開発し、改修も重ねて10年ほどになる。ビジネスや理念に柔軟に対応したシステムになっていると評価いただけている。
システム開発当初は時代的にクラウド環境ではなかったのだが、現在はAWSにてクラウド化している。BESSユーザー数の増加に伴い、本システムとは別に運用していたBESSユーザーの情報管理システムとシステム連携させ、購入前から購入した後も一貫して情報管理が行えるよう仕組みを整える構想があったため、弊社よりクラウド化を提案した。
クラウド化により他システムとの柔軟な連携が可能なベースが整ったことだけでなく、メンテナンス面での負担も軽減し、現場としても使いやすい仕組みになったと満足いただけた。
また、アールシーコア様の事業・業務に対する弊社の理解の深さについても、 「システムに対する要望を簡潔にお伝えしきれなかったときもこちらの意向を上手く汲み取って進めてくださるので、我々の経営理念や事業内容、独自の事業戦略を十分に理解していただいていると感じています。」とIT部門の責任者も務めている取締役の宮本氏より評価をいただけている。
今後の弊社対応についても次のように期待を寄せている。「取り扱い商材としても事業戦略としても新しい市場・画期的な仕組みを作ってきた自負があるので、これからも更なる事業拡大を目指して当社の戦略は絶えず変わっていくと思います。
今後もビジネスの変化に合わせて柔軟に、かつ、お客様の情報を扱うシステムなのでセキュリティも担保するインフラを確保できるように対応していただきたいです。引き続き我々の期待を上回るものを素早く開発していただけると確信しています。」
ディマージシェア担当者からの
コメント
今回お話をお伺いする中でブランドに対する愛情・熱意を改めて感じました。 アールシーコア様には長くお取引をいただいておりますが、常に新しいこと・独自のことに絶えず挑戦されています。そのスピード感に応えられるよう、ただ言われたものを開発するのではなくビジネスモデルや事業展開などを理解し提案するよう心がけていますが、今後の事業展開にシステム面でお力添えができるよう、より一層努力してまいります。