概要
- 飲食店では人手不足と生産性の改善が大きな課題
- 予約台帳システムやAIによる電話応対、モバイルオーダーなど飲食店向けツールを開発
- 省人化・自動化によって飲食店本来の提供価値向上を支援
DXの動機・背景
外食産業は人手不足が深刻と言われる。帝国データバンクの調査によれば、居酒屋などの飲食店の約6割で特にパート・アルバイトが不足しているとのことだ。こうした状況と創業者自身の飲食店経営経験から、外食産業のデジタル化によって省人化と労働生産性の向上を目指して株式会社トレタが創業された。
経過・対応・取組内容
同社では飲食店向けに様々なクラウドサービスを開発・提供している。予約情報の管理・顧客情報の蓄積のための「トレタ予約台帳」や、AIが電話上の音声を認識し予約から配席までを自動で対応する「トレタ予約番」では、来店前の業務を効率化し、ブラウザ版スタンプカード「トレタスタンプ」では来店後のコミュニケーション・販促をデジタル化する。
更に店内専用モバイルオーダーシステム「トレタO/X」では、QRコードによって注文から会計までオンラインで完結することができるので、来店中のオペレーションまでが改善できる。
得られた成果
導入店舗では受付対応が不要になったことで人件費を15%以上削減した店舗や、予約を効率化し空席率が低下したことで売上が前年比130%になった店舗など、大幅な生産性の改善が見られる。同社では省人化・自動化によって、飲食店の本来の価値である“食事”に注力できるようになる、と考えている。
編集部コメント
飲食店のデジタル化を様々な観点から支援する事例です。システムやツールを導入することによる自動化は、一見顧客と店員とのコミュニケーションが失われることで冷たく機械的に感じられるかもしれません。しかし手間のかかる作業から開放されることでコミュニケーションやおもてなしの質を上げる余裕ができると考えれば、むしろ接客の質を向上させることに繋がると言えます。