概要
- 物件確認の電話に対してAIが自動で応答する物件確認サービスの開発
- 不動産仲介での”物件確認”は頻繁に発生して業務を圧迫しがち
- 自動化によって業務負荷を大幅改善、完全週休二日が可能になった例も
DXの動機・背景
不動産仲介では、紹介したい物件の空室/売出し状況・契約状況を管理会社に確認する「物件確認」が頻繁に発生する。物件確認の電話は月に数百件に上る場合もあり、繁忙期には受話器から手が離せないほどだ。また、夜間・休日を問わず物件確認は発生するため、管理会社・仲介会社どちらにとっても悩ましい問題であった。
経過・対応・取組内容
株式会社ライナフは、物件確認の電話に対してAIが物件情報を自動応答する物件確認サービス「スマート物確」を開発した。物件情報を確認したい仲介会社が専用の電話番号に電話すると、発信者の音声をAIで認識して物件情報を応答する。24時間稼働するため営業時間外でも物件情報の応答が可能だ。
得られた成果
音声認識は95%以上の精度で物件特定が可能。導入企業の中には、月7,000件ほどあった仲介会社からの電話問い合わせ対応をゼロにできたケースもある。また業務効率化により、より高度な業務へのリソース転換はもちろん、完全週休二日制の導入といった働き方改善に至った企業もあるとのことだ。
編集部コメント
近年は不動産テックが盛んではありますが、不動産業界にはまだデジタル化できる多くの余地が存在しています。本件は自動化されたこと以上に、利用に際してアプリやPCを経由せず、電話のみで完結するシステムであるという点が着目されています。従来の電話をする、という仲介会社のアクションを変更せずに自動化・効率化を目指したことが、サービスの普及を後押ししたと言えるかもしれません。