概要
- クラウド化により業務の属人化を脱却と各種業務を効率化
- チャットツールとグループウェアの導入でタイムロスを削減
- 納期の短縮や売上アップ、労働時間の短縮に成功
DXの動機・背景
トマト工業株式会社は、不燃ボード・カラー版・アクリル板・透明ボードなどの建築材料の加工を主に行っている。大手企業の下請けとなるのではなく、全国の顧客から直接受注できる会社を目指している。
働き方改革の施行を受けて、労働時間を短縮しつつ生産量を増やす必要にも迫られた。
また業務の属人化も同社の課題であり、これらを総合的に解決するため、システムのクラウド化やノウハウ・マニュアルのオンライン化など多岐にわたるデジタル化に着手した。
経過・対応・取組内容
業務の属人化を解消するために、特定のPC内にしかインストールされていなかったソフトをネットワーク対応にし、工場にあるPCすべてで使えるようにした。あわせて、業務マニュアルもオンライン化して従業員の知見を集め、情報共有しやすくするとともに、属人化の発生を防いだ。
さらに、チャットツールを導入して書類を直接人に渡すというアナログな伝達方法をやめたり、グループウェアの導入でファイルや書類のクラウド化を進めたりして、無駄なタイムロスをなくし、各種業務を効率化した。
得られた成果
業務の専用ソフトをネットワーク対応にしたことで、従来は納期まで平均で5.1日かかっていた業務が、およそ半分の2.7日で納品できるようになった。業務マニュアルのオンライン化をした結果、これまでは年間40回ほど機械を外部修理に出していたのが、20%は社内修理で対応できることが発覚したり、2021年9月の売上が昨年対比で25%アップしたりという成果が出た。
チャットツールやグループウェアの導入は、コミュニケーションの速度や頻度が上がってタイムリーなやり取りが可能になったり、以前は4つの工程を踏んでいた作業がグループウェアに入力するだけで完了するようになったりするなど、労働時間の短縮につながった。
編集部コメント
業務の属人化の解消と、労働時間を短縮しながらの生産性の向上は、特に中小企業において避けられない課題です。属人化のうち、特定の担当者しか操作できないシステム・ツールに起因するものは、クラウド化・ネットワーク化で解消されるケースがあります。本事例はそうした問題を解消するための一連の取り組みです。