概要
- 飲食店向けのオンライン水産物仕入れサイトを提供
- 水産業の流通における適正な商品価値、仕入れの利便性向上など多面的な課題に取り組む
DXの動機・背景
水産物の流通において、インターネットが活用されておらず、飲食店は市場へ直接出向き仕入れをしていた。仲卸業者が運営するECサイトから仕入れることも可能だが、産地が限定的なこともあり代用しづらいといった課題があった。
経過・対応・取組内容
飲食店専用のオンライン水産物仕入れサービス「魚ポチ」を開始。様々な産地から直接仕入れた3,000種類以上の水産物を販売しており、小ロットでの注文も可能なので、小規模な飲食店でも利用しやすい。水産物の鮮度状況や漁法など、水産物の情報表記は多種多様であるため、ユーザーの検索条件の類似結果も表示させるよう商品表示のアルゴリズムも独自に開発している。
得られた成果
従来、新鮮な魚や市場に出回る量の少ない魚は各地の市場や港から個別に仕入れるしかなく、業務コストが高かった。プラットフォーム化することによって、特に小規模な個人店舗の仕入れに伴う負荷は大幅に低下した。生産者に対しては、市場の反応がダイレクトに得られることが大きく、同社でも購入者の傾向や反応を生産者にフィードバックするサポートを行っている。
編集部コメント
漁業は農業と比較し、天候による漁獲量の変化が大きいことや鮮度が極めて重要であること、漁協が比較的小規模であること等、単純にECプラットフォームを提供するだけでは解消が難しい問題が存在しています。本記事では情報の非対称性にフォーカスしましたが、株式会社フーディソンではその他にも様々な課題に対して取り組んでいます。
同社では水産業に参入するために、実際に魚屋「サカナバッカ」を経営し、市場や港に足を運んだといいます。参入する上でどこに課題があり、何から着手すべきかを直接見聞きして“業界内の人間”として取り組んだことが現在に繋がっていると言えます。
参考・出典
- 飲食店向け鮮魚の発注なら魚ポチ | 魚ポチ | 飲食店専門の仕入れサービス
- 志を社名にしたフーディソンの挑戦。vol.2 | Rashii
- 「消費期限1日」の魚を販売するネットスーパー その仕組みは?:相馬留美の「今そこにある商機」(3/5 ページ) – ITmedia ビジネスオンライン
- アリババ株式会社|IT活用で魚屋が変わった!魚のデータ化で理想の流通を実現する「サカナバッカ」
- 鮮魚店から発信する「おいしさと食の多様性」 海と食を考えるインタビュー|海のごちそうプロジェクト
- 「鮮度が命」の水産業だから、流通プラットフォームを再構築する価値が大きい- foodison代表 山本徹 – astavision
- IT×漁業で社会を幸せに。 そこには一生をかける価値がある | ガストロノミア
- 【IT×水産】魚ばなれを防げ! 業界を変える水産流通プラットフォーム再構築への挑戦(2017年9月12日号) – NexTalk