「人」に価値があるからこそデジタル化を進めるサラダ専門店

企業名

株式市場

非上場

創業

2014年

従業員数

資本金

5,000万円

売上高

1億1993万2,816円(2023年2月時点)

主な事業

・カスタムサラダレストラン「CRISP SALAD WORKS」の展開
・テクノロジーで顧客体験を非連続な成長と高い収益率を実現する新しい外食企業「コネクティッド レストラン」を構築

※2023年3月時点/公式ホームページより引用

概要

  • 自社でシステム開発を行い、人にしかできない価値を提供できる環境づくり
  • デジタル化によって実現したオンライン接客とキャッシュレス化・レジレス店舗
  • DXによって得られたデータでさらなる顧客獲得へ

DXの動機・背景

株式会社CRISPは、東京都を中心に20店舗近く(2023年時点)のカスタムサラダレストラン「CRISP SALAD WORKS」を展開している。2014年12月に麻布十番に1号店を開店して以降、「熱狂的なファンをつくる」というミッションを掲げ経営。しかし、インターネットの普及により「料理」や「空間(店舗内装)」が飲食業界において競争優位性ではなくなりつつあった。
そこで、飲食の世界で働く「人」の価値に着目。テクノロジーへ投資し、機械にできることはデジタル化を進め、人間は人にしかできない価値を提供する取り組みを行っている。

経過・対応・取組内容

同社では、大きく2つの取り組みを実施した。ひとつは、CRISP SALAD WORKS店舗での「オンライン接客」導入。店頭にディスプレイを設置して、スタッフが自宅からお客様を接客する仕組みだ。LTV(顧客生涯価値)を指標の軸とし、1人でも多くの「熱狂的なファンをつくる」ことが将来的に大きな価値を生み出すことに繋がると考えた。
もうひとつは、自社オリジナルのセルフレジとモバイルオーダーを組み合わせた完全キャッシュレス・レジレス店舗を2017年から展開。顧客をオンライン化し、多くのデータを蓄積することでファンを増やす目的がある。店舗では、店頭に販売員を配置せず、客が直接冷蔵庫から商品を取り出し、自らQRコードをスマホで読み取り決済する仕組みだ。

得られた成果

オンライン接客によって、顧客がお気に入りの店員を見つける可能性があり、販売員は接客の「見える化」によって正当な評価を受けられる。デジタル化を進めたことで、2020年時点でキャッシュレス比率は85%を超え、6万人以上のアプリユーザーを獲得。今後、50万件以上の購買データの蓄積を活用して、さらなる顧客拡大が狙える。キャッシュレス対応はコロナ禍でさらに需要が増えた。
このような取り組みで売上の70%近くがモバイルオーダーアプリやセルフレジなどのデジタル経由だ。得られた売上データや顧客満足度といった数値は、レストランでの体験価値を上げることに役立つ。
2019年からは開発ノウハウをもとに、飲食店向けのモバイルオーダーシステムの外部提供を開始している。

編集部コメント

株式会社CRISPの取り組みの目的は、一見「人件費の削減」、「完全キャッシュレス化」、「モバイルオーダー」ということだけのように見えますが、それだけではありません。DXを通じて、既存の飲食業界の常識を変えたいという想いがあるからこそ、デジタル化によって得られたデータを公開しシェアすることで、共に成長していこうとする意図が伺えます。

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