概要
- 新しい顧客体験の構築のための新サービスの開発
- 物流施設から建設し、倉庫出荷型のオンラインマーケットを展開
- 商品選択・注文から配送に至るまでAIを活用
DXの動機・背景
小売事業を起点として、ショッピングモールの運営や金融事業などの幅広いサービスを提供するイオン株式会社。2021年~2025年の中期経営計画では、成長戦略の一つとして「デジタルシフトの加速と進化」を掲げ、「店舗・デジタルが融合されたシームレスな体験」を構築することを目指している。その取り組みとして、倉庫出荷型のオンラインマーケット「Green Beans(グリーンビーンズ)」を稼働させた。
経過・対応・取組内容
大型スーパーが少ない東京都内で、主にオンラインショッピングをする若いファミリー層をターゲットとして、段階的にサービスを開始。早朝から深夜まで配送に対応しており、送料は配送時間によって変動する仕組みだ。
サービスの特徴としては徹底した鮮度管理、AIによるおすすめ商品をカートインする機能といったUIなど様々あるが、特筆すべきは配送である。
千葉県千葉市誉田に建設した物流拠点大型自動倉庫「誉田CFC(顧客フルフィルメントセンター)」では、AIとロボットを駆使している。入荷商品の格納から配送のためのピッキング・積み込みなど、全プロセスにおいてデジタル技術が組み込まれている。
またサービス力向上のため、利用者の手元に届くまでのラストワンマイルをGreen Beans専任のドライバーが担当している。この配送にもAIが活用されており、道路の状況やドライバーの休憩時間など、様々な情報を基に最適ルートを導いている。
得られた成果
東京23区全域と周辺エリアまで配達エリアを拡大することを計画しており、誉田CFCに次ぐ物流拠点の増設にも着手している。物流拠点を増設すれば、首都圏で200店舗規模のオンラインマーケットを展開できる見込みだ。
編集部コメント
イオングループでは既にネットスーパーを展開していますが、付近の店舗からの配送となるため、商品の品揃えや配送エリア・配送時間に制限がありました。今後 Green Beansが拡大すれば、さらに充実した商品提供が可能になります。また店舗の無い地域との接点を持つことができるようになるため、顧客拡大も見込めるでしょう。
参考・出典
- 最新のデジタル技術と機能を活用したイオンのオンラインマーケット「Green Beans」2023年7月10日グランドオープン|イオン株式会社のプレスリリース
- イオンの新ネットスーパー「Green Beans」7月10日スタート – Impress Watch
- イオンの新業態「Green Beans」 ネットスーパーの空白をカバー:日経クロストレンド
- 2021年~2025年中期経営計画―イオン株式会社
- イオン「新型ネットスーパー」で目指す未踏の高み 物流まで自前投資、収益化には高いハードル | 百貨店・量販店・総合スーパー | 東洋経済オンライン
- イオンが開業の新ネットスーパー、買い物かごに「お節介」機能を実装の理由 | 日経クロステック(xTECH)
- イオングループのデジタルシフトを象徴する物流拠点「誉田CFC」は何がすごいのか:物流のスマート化(1/3 ページ) – MONOist