概要
- 不透明かつ高額になりがちな葬儀を明確な費用内訳で安価に提供
- 従来の”紙”に基づく業務から自社スマホアプリで完結するオペレーションに
DXの動機・背景
総務省統計局によると、総葬儀費用は約120万円が一般的だという。事前に葬祭業者に打診したか、地域の慣習はどうなっているかなど様々な要因が絡み、費用の内訳が不透明になっていることは少なくない。現金一括払いが一般的であることも残された家族にとっては軽くない負担だ。更に葬儀後の墓の購入や管理も発生する。
経過・対応・取組内容
株式会社つばさ公益社では、価格を明確化して同一プランなら同じ価格で提供するサービスを展開。クレジットカードでの分割払いにも対応し、月々数千円の支払いから葬儀が実施できる。
また既存の形式にとらわれない葬儀も提案している。例えば、棺や布団から骨壷までがセットとして送られ、家族自らが葬儀を行う「DIY葬」の提供や、低価格な樹木葬や墓そのものを作らない手元供養を提供などだ。
得られた成果
書類でのやりとりが中心である葬祭業界にあって、自社業務プリなどを駆使してスマホ1台での店舗管理や遠隔接客を可能にした。店舗では書類の大量転機をアプリに置き換え、一般的な管理コストの43%を削減しているという。一連の効率化と新しい形の葬儀の提案によって、創業から約4年で5店舗まで拡大した。
編集部コメント
葬儀は従来、地元や親族の慣習に従いその費用の内訳や必要性をサービスとして追求することは稀でした。一見あたりまえであることを世の中の水準と照らして、デジタル技術を前提とした現代的な提案をすることでビジネスの形を変えた事例です。