概要
- 1冊ずつバーコードを点検していく”蔵書点検”を画像認識AIで効率化
- 本の背表紙をタブレットで撮影し書籍を特定、データベースと照会する
DXの動機・背景
図書館では蔵書が正しい場所に保管されているか、行方不明の蔵書が無いか確認する“蔵書点検”を定期的に行っている。作業は閉館後に職員総出で実施され、数万冊に及ぶ蔵書に貼っているバーコードを1冊ずつ読み取り、蔵書のデータベースと照合する必要がある。
経過・対応・取組内容
京セラコミュニケーションシステム株式会社では、こうした蔵書点検作業を効率化するAI蔵書管理サポートサービス「SHELF EYE」を開発した。本の背表紙をタブレットなどのカメラで撮影すると、画像解析AIがタイトルや著者名を分析し、図書館のデータベースと照合する。これにより、1冊ずつ点検せず書架を撮影することでまとめて点検することが可能になった。また直近の貸出し日・貸出し回数など本ごとの利用情報をタブレット上に表示するので、蔵書点検以外にも日常的な書架のメンテナンスにも役立つ。
得られた成果
本システムの開発は2019年に開始され、翌年の実証実験を経て2021年からサービスとして提供されている。2022年には鹿児島市立天文館図書館に導入された。
編集部コメント
蔵書点検は図書館の運営にとって必要不可欠な作業です。「あるべきものがあるか」という文字通りの“点検”ではありますが、図書館という多くの人が利用する公共性が高く、かつ様々な装丁の膨大な蔵書を抱える施設では、極めて大きな作業量です。RFID(非接触タグ)を利用したケースも存在しますが、本事例はより低コストで効率化できるとされています。