苦手意識を克服するVRトレーニングシステム

企業名

株式市場

非上場

創業

2019年

従業員数

資本金

3,300万円(資本準備金等含む)

売上高

主な事業

VRを用いた苦手克服ソフトウェアの開発 / 精神疾患情報サイトの運営

※2023年3月時点/公式ホームページより引用

概要

  • VR技術を用で不安障害の曝露療法を行うソフトウェアを開発
  • 収集した診療データは精神疾患・不安障害治療の研究に活用

DXの動機・背景

株式会社魔法アプリはVR技術を用いた不安障害等曝露療法のVRソフトウェア開発事業と、10代20代に向けた不安症啓発事業を行っている企業だ。不安症の悩みは、周囲が思う以上に深刻だ。例えば高い所にいると落ちることを想像して恐怖を感じる「高所恐怖症」であったとして、勤務先のオフィスが高層ビルにある場合や、出張でどうしても飛行機に乗らなければならない機会があるなど、避けがたい状況は発生し得るものだ。このような不安症の悩みを解決すべく、同社ではVR技術を活用している。

経過・対応・取組内容

同社では、パニック障害や高所恐怖症、広場恐怖症、遮光不安症などの、様々な不安症に対応したVR環境を構築し、トレーニングのために提供している。認知行動療法やバーチャル療法を取り入れて体験することで、苦手意識を克服する狙いだ。視覚・聴覚に訴えるリアルに再現された状況に少しずつ慣れることができるのは、いつでもすぐに中断できるという保証のあるVRならではの利点だ。
また、同社は不安症を克服・啓発するための情報メディア「Ouraid」を立ち上げた。悩みを抱えている人だけではなく、家族や周囲にも理解を促すことを目的としている。

得られた成果

株式会社魔法アプリが開発をした曝露治療補助ソフトウェア「Virtual Reality Exposure System」は、現在複数のクリニックでも導入されている。今後はより国内の医療機関に広めていき、不安症の解消に貢献していくとしている。
また現在治療で使用されているVRのデータを取集して、精神疾患及び不安障害治療の研究に活用できる可能性も視野に入れている。

編集部コメント

恐怖を抱く対象にあえて接して恐怖感を解消していく“暴露療法”は、その実施において心理的な安全が保証されていることが前提です。「怖い」という状況からボタンひとつですぐに逃げられることが保証されているVRは、こうした治療にとって非常に有用な技術です。

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