オンラインで消費者と販売員を繋ぐ百貨店アプリ

企業名

株式市場

東証プライム

創業

2008年

従業員数

約17,200 人(連結)

資本金

510億円

売上高

4,183億円(連結)

主な事業

百貨店業等の事業を行う子会社およびグループ会社の経営計画・管理ならびにそれに附帯または関連する事業

※2022年12月時点/公式ホームページより引用

概要

  • アプリ上で接客~購入まで完結する「三越伊勢丹リモートショッピングアプリ」を開発
  • コロナ禍での店舗休業中でも顧客との接点を作るためのプロジェクトから誕生
  • 若年層や首都圏外のユーザーなど新たな顧客層の開拓にも繋がる

DXの動機・背景

コロナ禍における外出自粛トレンドから、実店舗での接客・販売が困難になり、百貨店各社も対面という顧客接点を失ったことで大きな影響を受けた。三越伊勢丹グループも例外ではなく、新たな顧客接点の創出に向け動き出していた。
また同グループでは既にECサイトを運営していたものの、実店舗と異なる商品ラインナップや、百貨店ならではの複数店舗を回る消費者行動が再現できないことなど、実店舗での購買を補完できているとは言い難かった。

経過・対応・取組内容

LINEやZoomを介したオンライン接客による実感を踏まえて、新たな顧客接点として「三越伊勢丹リモートショッピングアプリ」をリリース。ユーザーはチャットやビデオを通して三越伊勢丹の販売員の接客を受けることができ、相談から購入までがワンストップで可能。ファッションのアドバイスをより的確に行うための顔の診断や、プロが選んだワインの定期便サービスなど、百貨店特有の高品質な接客を再現しつつ、オンライン上でより良質な体験を提供する多様なサービス・機能も実装している。

得られた成果

提供開始時点では伊勢丹新宿店の14ショップが対応していたが、その後順調に拡大し、多くのショップで導入が進んだ。アプリのダウンロード数は2021年5月時点で約1万に達し、現在でも増加し続けている。アプリの新規利用者には20代や首都圏以外のユーザーも多く、新しい顧客層との接点の開拓にも繋がっている。

編集部コメント

コロナ禍によって百貨店の強みのひとつである対面接客が不可能となった際にオンラインによって顧客接点を回復した事例です。オンラインとオフラインの体験を融合させるOMO(Online Merges with Offline)を念頭に、リアル特有の体験とオンラインならではの体験をシームレスに繋げることで、より高価値な体験を提供することに成功しています。

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