モバイル世代にフォーカスした国内初のデジタルバンク

企業名

株式市場

東証プライム

創業

2007年

従業員数

資本金

1,247億円

売上高

主な事業

銀行、その他銀行法により子会社とすることができる会社の経営管理およびこれに付帯関連する業務
その他、銀行法により銀行持株会社が行うことができる業務

※2022年12月時点/公式ホームページより引用

概要

  • 国内初のデジタルバンクである「みんなの銀行」をスタート
  • デジタルネイティブ世代に向けてスマホ起点で考案されたUI/UX
  • 既存の銀行システムを流用せず、ゼロからの構築によってスピーディにシステムを整備

DXの動機・背景

近年、銀行においても主たる顧客接点が、店舗窓口からオンラインバンキングサービスにシフトしつつある。また銀行業が今まで行っていた決済などの領域にテック企業が乗り出すようになり、デジタル化環境に適応した銀行のあり方が模索されている。

経過・対応・取組内容

株式会社ふくおかフィナンシャルグループでは、新しい形の銀行として2021年から傘下の子会社で”デジタルバンク”である「みんなの銀行」を開始した。“デジタルバンク”は既存の銀行業務をオンライン化したネットバンキングとは異なり、口座開設から入出金まで一連の銀行サービスが完全にオンライン上で完結する。

デジタルネイティブ世代に向けたデジタルバンクである「みんなの銀行」は、ターゲット層の習慣を前提にスマホ起点のUI/UXを設計し、銀行業務にまつわる煩わしさをいかに排除するかを重視して作られている。企画においては既存の銀行のプロセスを基にするのではなく、ユーザーにとってどうあるべきかがゼロベースで議論されたという。同様にシステムも、既存の銀行システムを流用せず独自に構築されており、勘定系システムとして国内初のパブリッククラウドを採用し、小さなシステムから拡大することでBaaS(Banking as a Service、銀行サービスを様々な企業・サービスに接続して組み込める提供の形)を目指した。

得られた成果

後発の銀行でありながら、サービス開始から約10ヶ月後の2022年3月時点にてアプリダウンロード数が88万、口座開設数が33万に達した。2022年11月には各社と共同開発した基幹システムの非金融事業者に向けた提供を開始し、BaaS構想に向けて着々と成長している。

編集部コメント

銀行はオンライン化、つまり既存プロセスの置き換えという観点では他業界に先駆けていました。一方で現在言われているデジタルトランスフォーメーション ― デジタルを起点としたビジネスや体験の設計という意味では出遅れているケースも少なくありません。これにはデジタルへの置き換えが早かっただけに、既存のシステム・プロセスの上に積み重ねてきたものが大きい、という理由もあります。本事例のようにゼロからの構築に踏み切るのは、こうした状況を打開するひとつの方策として参考になります。

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