アパレルの新しいビジネスモデル、オーダーメイドスーツのD2C

企業名

株式市場

非上場

創業

2012年

従業員数

資本金

5,000万円(資本準備金含む)

売上高

主な事業

カスタムオーダーアパレルブランド「FABRIC TOKYO」の運営

※2023年3月時点/公式ホームページより引用

概要

  • D2Cで敷居の高いオーダーメイドスーツのイメージを払拭する
  • 実店舗では採寸のみ、商品をwebサイトから注文する仕組み
  • 会員数12万人、顧客満足度90%を超える高評価

DXの動機・背景

株式会社FABRIC TOKYOはオーダーメイドスーツを取り扱っている。
従来、アパレルのなかでもオーダーメイドスーツは敷居の高いイメージを抱かれがちであった。高額で、計測に時間がかかり、スーツにこだわりを持つ人のためのものという固定観念だ。またビジネスとしてのアパレル業全体を見渡すと、売り上げが実店舗の件数に左右され、商品に顧客の声を反映するのに時間がかかることが課題だった。
同社はオーダーメイドスーツが抱える問題を払拭し、アパレル業が抱える課題を解消するため、D2C型のビジネスモデルを採用した。

経過・対応・取組内容

FABRIC TOKYOの実店舗では基本的に採寸のみ行い、注文はインターネット上で受け付ける。クラウド上にサイズが保存されているため、顧客が店員に逐一サイズを伝えて確認したり、試着したりする必要がなくなり、顧客の煩わしさを解消している。
小売店を介さず、自社ブランドの商品を顧客に直接販売するD2Cモデルは、商品の製作過程でも仲介業者を挟まない流れを作り、商品の価格を抑えることに成功している。またSNSの活用で、顧客と距離の近いコミュニケーションを行い、顧客の声をダイレクトに商品に反映している。

得られた成果

D2Cモデルによる手頃な価格の高品質オーダーメイドスーツを、気軽に、時間に拘束されずいつでも購入できる仕組みは、若いデジタル世代に受け入れられた。それは12万人もの会員と、顧客満足度90%超という数字に現れている。スーツ販売数は2022年1月実績で前年比180%、収益性は同業他社の1.5〜2倍だ。
同社が作り出したD2Cモデルのビジネスは、従来のアパレル業界では難しかった、個々のユーザーに対するロイヤリティの向上とブランドの成長につながっている。

編集部コメント

株式会社FABRIC TOKYOのブランドコンセプト「Fit Your Life」は、サイズのフィット感もさることながら、価値観やライフスタイルに合わせることを意味します。同社が目指すのは、顧客一人ひとりに寄り添うD2Cビジネスモデルを進化させた、小売りのサービス化。購入がゴールではなく、商品の利用が新たなスタートになるサービスの取り組みを強化しています。こうしたD2Cの流れは、特に中小規模のメーカーや、こだわり・特色のある商品を製造しているメーカーにとって追い風であり、株式会社FABRIC TOKYOのような成功事例から学ぶことは多いです。

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