全国の金型メーカーの連携による共同受注の仕組みづくり

企業名

株式市場

非上場

創業

1980年

従業員数

資本金

500万円

売上高

主な事業

※2022年12月時点/公式ホームページより引用

概要

  • 繁忙期と閑散期の極端な波を複数メーカーの提携によって解消
  • 設備にセンサーを設置し設備の稼働状況を計測、提携企業同士で共有
  • 企業間で適切な業務の配分を実現、全体としての生産性を向上させる

DXの動機・背景

近年、全国的に金型メーカーは主に不安定な仕事量から起こる零細化によって、減少が続いている。金型設計制作は受注量に波があり、顧客製品のモデルチェンジ時には繁忙を極める一方で、そうでない時期には極端に少なくなる。繁忙期には自社だけで賄いきれず、金型製造を外部委託することもあるため、同業者の減少は外注先の減少に直結する。平成24年から平成28年にかけて全国で35%の金型メーカーが廃業に追い込まれており、金型設計製作の存続に関わる差し迫った問題である。

経過・対応・取組内容

株式会社ウチダ製作所では、金型の共同受注の仕組みを構築し、全国の金型メーカーと連携してこうした業界問題の解決を試みている。提携する金型メーカーの設備にセンサーを取り付け、設備の稼働状況を提携メーカー同士で可視化・共有することで、新規受注が可能な状態かどうかを判断できるようにしている。これにより新規仕事の受注後、各社の稼働状況と得意分野を勘案して仕事を最適配分し、設備の稼働率を向上させる。

得られた成果

設備の稼働を融通し合うことで仕事量の波を緩やかにできる他、自社の設備だけでは受注できなかった仕事も、小規模メーカー同士での分業により可能になった。また稼働をシェアすることで、大型案件でも納期を短縮して制作できる等、提携による様々なメリットが生じている。

編集部コメント

大手からの受注で成り立つ中小製造業では、年間を通じた仕事量が発注元に左右されやすく、経営が立ち行かなくなるケースが目立ちます。こうした企業同士が提携することで、業務量の波を均し、提携企業全体としての生産性を向上させる、という事例です。

 本記事についての情報提供やご意見・ご指摘等ございましたらこちらのフォームより「その他のお問い合わせ」にてお知らせ頂けますと幸いです。