概要
- 災害に危機感を抱きBCP対策として業務のクラウド化を目指す
- 複数のクラウドツールを駆使し業務品質の向上に成功
DXの動機・背景
株式会社太陽都市クリーナーは、広島県府中市で廃棄物処理業を営んでいる。府中市から委託を受け、市内700箇所のゴミステーションや、約100箇所の市内企業・飲食店をルート巡回して廃棄物の回収を行い、各家庭の浄化槽管理やし尿汲取り業務も担っている。
2018年の西日本豪雨は、地域に甚大な被害をもたらし、同社の前を流れる芦田川も危険な状態まで増水した。同社は当時、手書きの複写伝票や帳簿を使用していたり、自前のサーバーでデータを管理していた。豪雨を目の当たりにして、もし同社前の河川が氾濫し会社のサーバーが浸水したり、伝票が流されたりしたら仕事の継続ができないという危機感が生まれた。
そこで同社はBCP(事業継続計画)を立て、業務のクラウド化を進めるべく行動に移した。
経過・対応・取組内容
同社は各種のクラウドツールを導入した。まず、事務所と現場の伝言ミスの改善に社員がプライベートでも使用しているメッセージアプリを導入。チャットに慣れた頃にビジネスチャットへ置き換えた。
次に、グループウェアを導入し、各社員にメールアドレスを持たせるとともに、クラウドストレージを介していつどこにいても必要な情報が取り出せる仕組みを作った。
その後3年をかけ、スケジュールを共有できるカレンダーアプリや、テレワークがしやすいように勤怠管理システムを整えた。
得られた成果
クラウドツールの活用によって業務品質が向上し、BCP対策が前進。いつでもどこでも作業ができるようになったことで、作業がスピードアップしただけでなく、トラブル・クレームの減少にも繋がった。更に部門の垣根を越えた交流が活発になったことで離職率が大幅に低下した。
SNSで社員の働きやすさを発信することで親近感を持ってもらい、求人に応募する人材が増加した。クラウドツール導入前は50代の社員が多かったが、現在の平均年齢42歳と若い人材の確保にも成功する。
編集部コメント
本件は災害をきっかけに危機感を抱き、BCP対策を行ったことが大きく影響しています。業務効率化を進めた結果「週休三日」が導入され、バックオフィス業務を在宅勤務にして全国から人材を採用することも可能になりました。