自動ガイドシステムでバスガイドのコストを削減

企業名

株式市場

非上場

創業

1950年

従業員数

35人

資本金

売上高

主な事業

貸切バス・タクシー・旅行業

※2023年4月時点/公式ホームページより引用

概要

  • 高騰する人件費の解消のため自動バスガイドシステムを開発
  • バスのGPS情報から自動でガイドアナウンスが流れるシステム

DXの動機・背景

平和交通株式会社は、富山県氷見市で貸切バス、タクシー、旅行業を営んでいる。富山県とその隣県をエリアに活動していたが、バスガイドの高齢化や人材不足により、バスガイドの人件費が高騰していることに悩まされていた。繁忙期には1泊2日の旅行に6~7万円の人件費が発生するという。
近年、新規参入が進んだことにより貸切バス業界は価格競争が激化していた。そうした中で、繁閑差が大きく、人材が不足しがちなバスガイドの人件費はますます重くなっていた。同社は、「このままでは従業員の労働環境を守れない」と考え、競合との価格競争の脱却のためのサービス価値向上を目指して、デジタル技術の導入に取り組むことを決断した。

経過・対応・取組内容

バスガイドの人件費を削減しつつ競合との差別化を図るために、GPSを利用したシステム開発に取り組んだ。取引のあったベンチャー企業と共同でシステムの構想を練り、地元のITベンダーに開発を依頼し、自動ガイドシステムである「タビ子」を開発した。タブレットで操作し、位置情報にあわせて自動で観光名所のガイドを行う。映像と音声によるタイムリーな案内だけではなく、グルメ紹介や軽快なトークなど、バスガイドとしてバラエティに富んだ話をすることが可能だ。

得られた成果

自動ガイドシステム「タビ子」の導入により、バスガイドの人件費を削減することに成功した。さらに「タビ子」は、自動バスガイドという他社には存在しないツールとして、他社との差別化を図り、価格競争から脱却する武器ともなった。
同システムは、バスガイドが同行しないツアーに採用され、人気となった。北陸新幹線の開業も重なり、年間で約200本のツアーを受注する大反響を得ている。

編集部コメント

本事例で開発されたシステムは、タブレット端末のOSアップデートに伴う改修費用が発生するため、後にプラットフォームをノートPCに移行した新システムが開発されました。その開発者は同社の代表その人とのことです。

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