アパレルOMOの推進でデジタルマーケティング改革

企業名

株式市場

非上場

創業

1975年(設立)

従業員数

1,243人(2022年2月時点)

資本金

6,000万円

売上高

211億5,052万円(2022年2月時点)

主な事業

復職関連の製作・販売

※2023年3月時点/公式ホームページより引用

概要

  • Webサイトを一本化し実店舗とオンラインショップのシームレス化を推進
  • OMO推進に伴い「店頭決済サービス」を導入
  • 数あるアパレルブランドのなかかの中から顧客にシップスを選んでもらうことに成功

DXの動機・背景

セレクトショップのパイオニアとして知られている株式会社シップスは、全国に6種類の形態で約80店舗を展開している。同社はシームレスな顧客体験の提供に力を入れている。たとえば、かつては分野ごとに管轄が分かれていたデジタルマーケティング領域のチームをひとつにまとめたり、企業サイトとECサイトを一つの公式サイトに統合し、発信する情報や収集するデータの統合を行ったりしている。
公式サイトとリアル店舗を融合した体験の提供も、こうした一連の取り組みのひとつだ。

経過・対応・取組内容

同社は2020年11月より「店頭決済」サービスを開始した。顧客が希望する商品が店頭接客時に欠品している場合でも、その場でオンラインショップでの注文を済ませ、会計は店頭レジで完結できる。注文した商品は後日、顧客の自宅に配送される。
「店頭決済」を利用すれば、パンツの裾上げの際、希望する商品・サイズが店頭にない場合でも、店頭で別のカラーや似通った商品を試着して股下の採寸を行い、オンラインショップ注文で裾上げ指定を完了させた後、その場で決済する、といったスムーズな購買体験も可能だ。
その他、試着予約や店舗取り置きサービスによって、オンラインとリアル店舗を融合した仕組みづくりを進めている。

得られた成果

店頭決済や試着予約、店舗取り置きサービスは、顧客からは好評を博している。店頭決済はEC売上の10%超を占めるようになり、試着予約は初動で利用者の60%以上が来店した。社内においてもデジタル戦略を推進するために大がかりな組織改革を行い、施策を迅速に実行できる組織体制を組むことで、実店舗とECを相互に補完する構造が実現したと言える。

編集部コメント

本事例では、デジタルマーケティングの統合から始まり、オンラインとオフラインを統合した顧客体験の実現までが段階的に実施されています。特に本記事の範囲では、ECと店舗の在庫管理を一元化して管理することで、顧客はチャネルを問わない購買体験ができるようになりました。小売としてのOMO戦略においては、在庫管理の観点からも参考になる事例です。

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