測量アプリで建築現場の人材不足と作業効率を改善

企業名

株式市場

非上場

創業

1941年(設立)

従業員数

994人(2023年1月時点)

資本金

70億円(2020年1月時点)

売上高

959億円(2019年度)

主な事業

土木工事及び建築工事の請負、設計及び監理
不動産関連業務
地域・都市・海洋開発及び環境整備事業
前各号の業務に係わるエンジニアリング、マネジメント及び
コンサルティング業務
前各号に付帯する業務

※2023年3月時点/公式ホームページより引用

概要

  • 建設現場の情報共有、施工管理を支援するためにアプリを開発
  • タブレット端末のGPSセンサーと気圧計で位置座標を表示
  • 用途ごとに開発された「位置プラス」シリーズを開発・外販

DXの動機・背景

建設現場では深刻な人材不足に悩まされおり、今後も少子高齢化によってさらに問題が加速すると言われている。また、ビルなどの建設現場では協力会社などの複数の会社の職員がそれぞれに業務を行っている。そのため、現場監督の目が行き届かない場面も大いにあり、進捗確認や指示出しなどが非効率になりがちだった。
こうした経験などをもとに、竹中土木は建設現場での人員不足を補うため、加えて現場監督の施行管理業務を支援するために、タブレット端末で利用できるアプリを開発した。

経過・対応・取組内容

同社が株式会社ジークスと共同で開発したアプリ「位置プラス®」シリーズは、現場での生産性向上を目的としている。アプリ開発以前より、建築現場の多くが衛星電波の届かない環境であることを踏まえた専用ビーコンの開発など、現場の人やモノの見える化を図るための研究が進められていた。
「位置プラス®」シリーズは用途によってアプリが分かれている。例えば測量や施工計画を支援する「位置プラス®測」は、タブレット端末のGPS機能により、事前に登録した図面上に現在の位置座標を表示して測量ができる機能を備えている。専用の測量機器が不要で、迅速な作業が求められる場合にも活用できる。

得られた成果

「位置プラス」シリーズには現在、「位置プラス測」の他に「位置プラス®探」、「位置プラス®写」がある。
「位置プラス®探」は、建設現場内の高所作業者や作業員の位置を把握することが主な用途。BLEビーコンを用いた発信器を作業者に取り付け、作業員の携帯端末から位置情報を取得し、建設工事用の平面図に映し出される仕組みだ。「位置プラス®写」は、携帯段末で撮影をした工事現場の写真をデジタル図面に自動でプロットするアプリ。写真データを現場からリアルタイムで共有できるため、作業指示にかかる時間が大幅に削減できる。
これらのアプリをそれぞれ使い分けることで、同社では建築現場の効率化が進んでいる。

編集部コメント

建築現場の声から生まれたアプリの事例です。据え置きの端末が使いづらい建築現場ではタブレット端末が活用されるケースが多いです。また利用者も作業の合間にアプリを使用することを考慮すると、シンプルかつ使いやすいUIは必須と言えます。今回取り上げた「位置プラス®」ではこのUIも十分に考慮されています。

※位置プラスシリーズの各種商標は、竹中工務店の登録商標です。

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