不動産エージェントがリモートで仲介するオンライン不動産仲介

企業名

株式市場

非上場

創業

2019年

従業員数

資本金

売上高

主な事業

※2022年12月時点/公式ホームページより引用

概要

  • 不動産売買のための仲介業者と所有者のマッチングサービス
  • 希望条件に沿って匿名で不動産エージェント側から物件情報を受け取れる
  • 不動産エージェントとは直接内覧日程を調整できる

DXの動機・背景

不動産業界は小規模事業者の比率が高い。全宅連不動産総合研究所のアンケートによると多くの都道府県で90%超が従業員数10名以内であり、その小規模事業者の多さが他業界に比べ低いIT投資の一因となっていた。

法制度としても電子化に対応しきれていない面があり、効率性・生産性には大きな課題があった。しかし近年では「不動産テック」と呼ばれるように急速なデジタル化が進んでおり、2019年から国土交通省によって社会実験が行われていた「IT重説」や2022年5月に施行された改正宅地建物取引業法など、制度面でも整備が進んでいる。

経過・対応・取組内容

株式会社TERASSは、こうした不動産業界において新しい不動産取引サービスを実践している企業だ。個人の不動産エージェントに対して同社がリモートで業務環境や物件情報を提供し、エージェントは顧客に対して仲介業務を行い(相談はオンライン上でも可能)、エージェントには成果に応じた報酬が支払われる。

得られた成果

2021年3月時点のプレスリリースによると同社サービスの月間取扱高は10億円、提案件数は4,200に達し、急成長する不動産テック企業として注目されている。22年8月時点で所属するエージェント数は200名を超え、前述の宅地建物取引業法の改正も追い風となって成長を続けている。

編集部コメント

不動産テックの急速な浸透と法制度の整備により、旧来の不動産業務は大きく変わりつつあります。不動産業での働き方を効率化するシステムや、顧客向けにオンラインで行うサービスも各社で提供されていますが、株式会社TERASSの特徴は不動産エージェントが完全リモートで所属し業務にあたっている点です。本来“DX”は“トランスフォーメーション”が指すとおり、既存業務をデジタルに置き換えるだけではなく、ビジネス構造の転換といった意味を含みます。所属しているエージェントの3割以上が副業という柔軟かつ自由度の高い働き方は、企業とオフィスに制約されない新しい形、ビジネスの“転換”と言えます。

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