概要
- 人的営業のみのスタイルに限界を感じマーケティングに注力
- 情報提供や見積り、顧客との打ち合わせをWeb上で行う
- 業務の一部自動化・効率化により生産性が向上、販路拡大へ
DXの動機・背景
深江特殊鋼株式会社は、広島県に本社を置き、特殊鋼の加工販売を行う会社である。専門性の高い特殊鋼材の取り扱いや、国内でも数が少ないTA・ガンドリル加工も行っており、その技術を必要とする多くの顧客を抱えている。
同社では、長らく人による直接的な営業を主としていたが、膨大な顧客数全ての対応を人的営業でまかなうのは難しくなり、顧客とのやり取りをスムーズに行うことで生産性を向上するため、DXに取り組むことになった。
経過・対応・取組内容
同社は「人がやらなくていい作業」をデジタル技術で補うべく、Webサイトに営業のプロセスを移管しようと考えた。
同社が立ち上げたWebサイト「Meta-Navi」は、顧客に向けて技術情報を提供している。全国の協力企業とのネットワークを構築し、機械加工する材料の調達や、加工・納品などをオンライン上で一括して手がけることで、顧客とのコミュニケーション時間を短縮した。さらにはSNSの活用、メルマガの利用などを取り入れ、マーケティング面でもデジタル化を進めることにした。
得られた成果
Webサイトを立ち上げ、オンライン上で情報提供や見積などを行うことによって、これまで時間を要していた顧客とのやり取りを短縮し、生産性を向上させることに成功した。
顧客とのやり取りをWeb上で行うことで、商談データを保存することも可能になり、社員全体でデータを共有。顧客に対してより精度の高い情報提供を行うことも可能になった。一部の業務を自動化・効率化することで営業担当者の負担は減り、販売エリアの拡大にも繋がっている。
編集部コメント
地場の営業力が強い企業は安定した顧客獲得が可能ですが、より広く・多く営業活動を行うことを企図する場合、人的な対応には限界があります。本件のように、エリアや時間に限定されないデジタル領域での施策はこうした人的営業の限界を突破する契機になり得ます。