金物・工具の卸販売業をデジタルで効率化、DX認定事業者へ

企業名

株式市場

非上場

創業

1951年

従業員数

221人(2020年時点)

資本金

4,880万円

売上高

主な事業

沖縄:金物・工具の卸販売
関西:金物・工具の販売(シマコーポレーション)

※2023年6月時点/公式ホームページより引用

概要

  • 基盤システムのリプレイスを機にデジタル化を目指す
  • 台帳をデジタル化し業務時間の削減とサービス向上を実現

DXの動機・背景

株式会社島袋は約3万点の工具・金物を扱う、沖縄県内で最大手の卸売事業者だ。2017年、基盤システムのリプレイスを機に、紙からデジタルへの転換を目指すことになった。
しかし、ボトルネックの1つとなったのが紙の台帳だった。同社では約3万点の商品を取り扱っているため、分厚いバインダー2冊ほどのボリュームがあり、新商品の追加や価格改定の度に変更があったページを印刷し差し替える必要があった。
そこで同社は台帳をデジタル化し、タブレットで閲覧できるようにすることで、作業効率の向上を図った。

経過・対応・取組内容

台帳をデジタル化したことにより、受注後に倉庫から商品を見つけて出荷するまでのピッキング作業が誰でも対応可能になった。これまでは広大な倉庫のどこに商品があるかベテランにしか分からなかったが、タブレットを活用することで新任スタッフでも見つけることができるようになった。
仕入れ発注業務に関しても、旧来では紙の台帳と基盤システムへ入力という二重の作業が発生しており、転記ミスも頻出。しかしデジタル台帳と基盤システムを連動させることで、作業のダブりとミスのリスク解消が実現した。

得られた成果

台帳のデジタル化によって、営業担当者30人の業務時間が1人あたり約15時間/月削減できた。削減した時間を活用して顧客とのコミュニケーション時間を増やすなど、サービスの向上にも繋がっている。
また、1件の受注に対して営業担当者が注文票を書き、総務経理担当者が入力する二重作業に起因するヒューマンエラーもなくなり、受注から出荷までの担当者間連携がより一層円滑となった。
同社のデジタル化への取り組みは経産省に認められ、沖縄県内3社目の「DX認定事業者」となる。

編集部コメント

本件では、時間がかかってもより良いシステムを構築したいという、社長の強い意志がDXの成功に大きな影響を与えました。「新しいものを作るには、構築の過程である程度のやり直しが発生する覚悟が必要」だというトップの推進力は、DXを進めていく上で大切です。

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