「土作り」にデータを活用した農業経営者向けシステム

企業名

株式市場

非上場

創業

1952年

従業員数

18人(2022年1月1日時点)

資本金

2,010万円

売上高

主な事業

(1) 農業資材の店舗販売(夢アグリ)
(2) 農業資材の販売、営農支援 (外商課)
(3) 土壤・作物体・堆肥等の分析
(4) 米穀集荷・資材販売・ライスセンター
(5) 農産物の検查(農産物登録検查機関)

※2023年6月時点/公式ECサイトより引用

概要

  • 農業経営者の総合的な支援と次世代型農業の確立を目指す
  • 「土づくり」に着目、土壌診断施肥設計システムでデータに基づく農業を推進
  • 経済産業省により「DX認定事業者」に認定

DXの動機・背景

株式会社みらい蔵は、農業経営者を支援する総合サービスを提供する大分県の会社だ。農業資材の販売店舗経営からスタートし、現在ではデジタル技術を活用することで、環境に配慮しつつ農家が安全で高品質な農作物を生産し、安定した収入を得られるようにサポートするサービスを展開している。
現代の農業は⾼齢化や⼈⼿不⾜を筆頭に、資材の価格⾼騰や⾃然災害など多くの困難に直面している。またSDGsをはじめとする環境保全や社会課題解決への関心が以前にも増して高まっていることも、農家が取り組まなければならない課題として挙げられるだろう。
株式会社みらい蔵は、こうした農業を取り巻く環境の変化や、多様化する顧客ニーズに農家が対応できるように、農業の要である「土づくり」に着目したシステムの開発に取り組んでいる。

経過・対応・取組内容

同社は土壌診断施肥設計システム「ソイルマン」と、その進化版である「ソイルマンⅡ」が高く評価されている。畑の土を分析し、その結果から最適な肥料を設計して土づくりを支える、データに基づいた農業を推進するシステム及びサービスだ。現在バージョンアップに向けて開発が進められているという「ソイルマンⅡ」では、更に有機農業へのシフトにも対応できるようにする他、病害虫や日照不足、品質低下といった土づくり後の問題も解消できるように、過去の相談とその回答をデータベース化し、農家が入力した悩みの解決方法を自動で提示できるようにするという。

得られた成果

デジタル農業の推進に取り組む同社は、経済産業省が策定する「デジタルガバナンス・コード」の指針に合致していることが認められ、「DX認定事業者」に認定された。
また、中小企業の優れたDX推進モデルとして、ITコーディネータ協会主催の「ITCカンファレンス」にて最優秀賞を受賞。これは、DX事業における外部ITコーディネータとの強い連携力が評価されたことが理由だ。

編集部コメント

店舗での農業資材販売からスタートした同社は、当初こそデータを考えることはなかったものの、次第にデータの重要性に気付き、手書きで集計するところからデータ分析を始めたとのことです。
データを見て判断することの重要性をトップが理解し、率先してデータを活用しているからこそ”土づくり”にデータの視点を持ち込んだ「ソイルマン」が開発されたと言えます。

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