概要
- 画像認証やAIを活用して本人確認を自動化するツール「LIQUID eKYC」の開発・提供
- 本人確認書類のチェックや申請情報との照合などの本人確認業務を自動化
- 画像認識技術により顔写真の真贋判定も自動化
DXの動機・背景
契約や口座開設などで必要な本人確認は、書類と転送不要郵便を介するアナログな手続きが主流だ。サービス提供までに時間がかかり、ユーザー・企業双方の手間は小さくない。そのため2016年の改正犯罪収益移転防止法施行規則の全面施行を機に、従来の手続きからスマートフォンなどのデバイスを利用してオンラインで本人確認を行う「eKYC」を導入する企業が増加している。ただし、本人画像の認証精度や書類の認識、操作性に難がある場合、登録しようとしていたユーザーの離脱を招きやすく、いかにスムーズな認証を実行させるUI/UXを追求するかは大きな課題である。
経過・対応・取組内容
株式会社LIQUIDの提供するクラウドサービス「LIQUID eKYC」では、独自の研究チームを設置し精度の高い画像認識技術を実現し、認識された人物が写真などの偽造でなく実際の人物であることを判別する。またAIを活用し、本人確認書類の一部マスキング処理や有効期限のチェックを自動化した。ユーザーの離脱を最小化するために直感的なUI/UXを採用し、エラーメッセージの表示にもAIを利用している。
得られた成果
AIやOCR技術を活用してスムーズな認証を追求した結果、公式サイトによれば「LIQUID eKYC」の離脱率は3%を下回り、契約数は140社に達するとのこと。2021年には本人確認書類のICチップ読み取り機能を実装し(SDK版)、よりスムーズな認証に向けて改良を続けている。
編集部コメント
金融機関を中心にeKYCでの本人確認手続きは急速に普及しています。一方で書類からオンラインでの手続きに変わることで、手続完了までの「離脱率」という新たな課題が浮き彫りになりました。
こうした課題に対して、認証技術そのものの改善と操作性の改善という2つのアプローチからUI/UXを追求しているのが「LIQUID eKYC」と言えます。