概要
- 旧来の受注システムで抱えたトラブルをデジタル化で改善
- メッセージアプリを活用し個人宅へのスピード配達を実現
DXの動機・背景
株式会社リカーショップ新城は、那覇市国際通りの中心部に店舗を構え、飲食店への卸・配達に加え、店頭販売や個人宅配も手掛ける酒店だ。
同社は40年余にわたって親しまれてきた「新城洋酒店」を事業継承したが、当時の注文窓口は電話のみ。受注内容を伝票に手書きするスタイルだったため、聞き間違いや伝票の紛失、汚損などのトラブルを抱えていた。
そこで同社はデジタル化が必要だと考え、ヒューマンエラーをなくし、顧客情報や営業ノウハウの蓄積・活用を行うために1台のパソコンを導入した。
経過・対応・取組内容
同社社長はまず別事業での経験を活かし、外部人材の力を借りつつSEOも含めたウェブサイトの制作・運用を開始。常務取締役も、那覇市主催のIT産業人材育成業に参加し得た知識をもとにITツールを調べ、学びながら社内の業務改革に取り組んだ。
そのなかでも大きな取り組みとなったのが、CRM、SFAを活用した顧客管理や新規出店管理のデジタル化だ。膨大な数のデータをまとめて管理できるため、導入後に不要な人件費の削減にもつながる。
得られた成果
ウェブサイトをリニューアルし、問い合わせフォームを設置したことで、業務の優先付けが仕組み化された。急ぎの連絡は電話、そうでないものはメールで連絡がくるため、聞き間違いなど受注ミスを防ぐことにもつながっている。
さらに、2022年7月にはメッセージアプリの公式アカウントを使用した宅配注文アプリを使用し、個人宅へのスピード配達を開始した。リカーショップ新城の公式アカウントを友達追加することで約300アイテムの注文ができ、最短30~90分以内の配達が実現する。
編集部コメント
本件では、事業を受け継いだ社長がさらなる発展を目指しデジタル化を進めました。中小企業の場合、専任の担当者を配置するのが難しいことも多く、全社的にカバーしあいながらツール・システムを活用していくことが肝要です。