概要
- プランナーの業務効率化と新郎新婦の満足度向上を目指すWebサービス
- 従来の業務フローを変えずに導入できるブライダル業務特化型クラウドツール
- 実証実験で業務量を1/3に削減する成果を見せる
DXの動機・背景
株式会社ブリルズは、創業よりBtoC向けのオンラインブライダルサービスを提供してきた。現在はWebサービスの提供によるウェディング事業者の支援に注力しており、プランナーの業務効率化と新郎新婦の満足度向上を目指している。
事業転換の背景には、従来からの離職率の高さとアフターコロナの業務量増加を起因とするウェディングプランナー不足の深刻化があった。しかし、業界では紙やFAXを使ったアナログ業務が一般化しており、ITに対する苦手意識が浸透している。
そこで同社は、既存の業務フローを極力変えずに導入できるクラウドツールの開発に取り組んだ。
経過・対応・取組内容
導入の容易さを重要視して開発したのが、クラウドベースのコミュニケーションツール「BRILLS」だ。席次表や見積書といった書類の一元管理と、工程表・スケジュール管理・打ち合わせ記録などの共有を可能にすることで、プランナーの業務効率化を図る。また直感的に操作できるiOS版・Android版アプリを配信し、プランナー・新郎新婦・提携先が打ち合わせをスマホで完結できるようにしている。
導入への抵抗感には、操作説明から業務棚卸、システム移行まで2時間程度で完了できるよう設計することで対処した。
得られた成果
「BRILLS」を利用して実際の結婚式で業務効率化検証を行ったところ、事務作業量が1/3に削減。対面打ち合わせの回数が減ったことで、プランナーの在宅ワーク率が10%から90%まで引き上がったという検証結果も出ている。また、ウェディングプロジェクト中のコミュニケーションの円滑化により、新郎新婦の満足度向上につながっているという。
今後は同ツールを起点に多数のサービスを展開し、海外進出や結婚式準備の自動化も視野に入れて業界のDXを推進する予定だ。
編集部コメント
同社はアナログな業務慣習が確立している分野において、デジタル技術導入のハードルを解消することで業界全体の課題解決を図っています。急進的な業務改革ではなく、まずは現状のアナログをデジタルに置き換える…という考え方は、実際的なDXを考える上で参考になる視点です。