自然災害の被災状況をリアルタイムで予測・公開

企業名

株式市場

非上場

創業

1918年

従業員数

資本金

1,000億円

正味収入保険料

1兆2,913億円

(2022年3月時点)

主な事業

損害保険事業

※2023年10月時点/公式ホームページより引用

概要

  • 自然災害による損害保険の迅速な支払いのために情報収集が重要
  • 自然災害の被災状況をリアルタイムで予測し公開するサービスを開始
  • SNSの投稿をAIで分析、定量データのみに留まらない情報ツールへ

DXの動機・背景

台風や地震をはじめとした大規模な自然災害では、広域にわたって被害が生じる可能性がある。そうした損害を補償する損害保険会社にとって、被災した範囲・規模を迅速に把握し、保険金の支払いを速やかに進めることは重大だ。しかし、自然災害の発生直後に正確な被害状況の情報を収集することは困難を極める。被害状況を見誤れば、想定する事故受付件数にギャップが生じ、手続きのために確保すべきリソースの不足から手続きがオーバーフローすることもありうる。

経過・対応・取組内容

あいおいニッセイ同和損害保険株式会社は、台風や豪雨・地震による被災建物数をリアルタイムで予測し一般公開するウェブサイト「cmap」を開発・公開した。台風は上陸前から、豪雨・地震は被災直後から、被災建物数を地区町村ごとに予測し、24時間365日無償で公開している。ハザードマップや避難先情報の表示も行うため、平時の防災・減災にも役立てることができる。アプリ版ではSNS上の情報を解析したうえで公開している。SNSの災害に関する投稿をそのまま一覧化するだけでは、デマやノイズが含まれてしまう。そのため投稿をAIで解析し、不適当な情報を除外した上で表示している。今後はユーザー登録なしで投稿ができる機能の搭載も予定されており、災害時のユーザー間での情報共有ツールとしの活用を目指している。

得られた成果

同社の業務領域のみならず、地域の安全を担う公的機関での活用が見込まれている。また同社ではデータを活かして自治体や大学との共同研究も行っている。本取組は、フジサンケイグループが主催する、環境保全に貢献する企業・団体を表彰する「地球環境大賞」第29回大賞を受賞した。

編集部コメント

様々な自然災害が多く発生する日本だからこその取り組みです。アプリでの情報発信にあたりSNS情報に着目し、デマやフェイクニュースを除去した上で活用されており、適切な情報処理のもとSNS情報の速報性を活かしています。

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