全国に点在する遊休化倉庫をシェアリングするサービス

企業名

株式市場

東証プライム

創業

1950年設立

従業員数

5,571人(単体/2022年3月時点)

資本金

2,044億4,666万7,326円

売上高

17兆2,648億2,800万円(2021年度)

主な事業

産業DX、天然ガス、総合素材、石油・化学ソリューション、金属資源、産業インフラ、自動車・モビリティ、食品産業、コンシューマー産業、電力ソリューション、複合都市開発

※2023年3月時点/公式ホームページより引用

概要

  • 倉庫の遊休化が物流業界における生産性低下の一因
  • 倉庫の全国ネットワークを活かしたWareXを開発
  • 遊休倉庫の削減に加え、倉庫シェアリングの概念を普及させる

DXの動機・背景

多様な事業を展開する三菱商事では、複数の事業において物流分野における生産性の低下のあおりを受けていた。とりわけ、昨今では十分な数の倉庫が存在するにもかかわらず、それらが有効活用されていないことで生じる「倉庫の遊休化」が表面化している。その解決は同社だけでなく業界全体で急務となっていた。同社には倉庫の全国ネットワークを把握しているという強みがあったことから、その活用による遊休化倉庫の削減に乗り出した。

経過・対応・取組内容

同社では既存倉庫の全国ネットワークを可視化し、寄託倉庫サービス「WareX(ウェアエックス)」の提供を始めた。このサービスは全国の倉庫の検索機能を主とし、倉庫を利用したいと考えている事業者と遊休状態のものも含めた倉庫をマッチングする。また、利用者と倉庫提供者が個別に契約を結ぶ必要が生じないシステムを構築することにより、双方の利便性向上にも努めた。
その他、庫内では同社が開発した作業ロボット「Roboware(ロボウェア)」を利用できるようにし、業務効率向上のサポートも行っている。

得られた成果

WareXはサービス自体の利便性の高さからすぐに反響を呼び、多くの物流事業者に知られることとなった。同時に利用者も順調に増加し、国内の倉庫の約4割が該当するといわれていた遊休化倉庫の大幅な削減に成功。このことは遊休化している倉庫を複数の事業者で共有する「倉庫シェアリング」という概念の普及においても一定の効果を発揮した。物流拠点が分散することによる生産性の低下を防ぐという点で、今後もさらなる成果をもたらすことが期待されている。

編集部コメント

三菱商事が開発したWareXの普及は、物流業界におけるインフラ整備にも一役買いました。本事例は、三菱商事のネットワークによって様々な事業者の資産を横断した、全体最適を実現した点で注目に値します。

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