概要
- オーガニック農作物に特化したオンライン直売所サービスの開発・提供
- 生産者側には利益率の高い流通経路を提供、消費者には新鮮な割安な産直食品を提供
- 特に中小規模の生産者に対して小規模・高付加価値の生産および流通を可能にした
DXの動機・背景
一般にスーパーなどで販売されている農作物の小売価格の3割ほどが生産者の取り分であり、生産コストを除くと利益は更に小さくなる。既存の流通経路では安定供給の観点から、ある程度の生産規模を維持することが求められるため、大量生産が可能な生産者には恩恵があるものの、小規模な農家や畜産業者・漁業者にとって既存の流通ルートでの収益拡大は困難である。
経過・対応・取組内容
株式会社ビビッドガーデンの産直通販サービス「食べチョク」では、販売価格は生産者が自分で設定することが可能。これにより既存の流通ルートと比較し、小規模・高付加価値の生産でも高利益率を実現できる。
生産者が直接食材を販売・発送まで対応するため、消費者にとっては市場に出回りづらい食材・生産者のこだわりの食材を新鮮な状態で購入することができるというメリットがある。
消費者は通常購入・定期購入の他、好みに合わせてコンシェルジュが生産者・商品をセレクトし配送する定期便も利用可能。
得られた成果
「食べチョク」は月間ユニークユーザー数460万に達するオンライン直販サービスに成長、農家をはじめ7,500軒以上の生産者が登録している。同社の公表する月間最高売上では、野菜部門で705万円/月を記録しており、一般の中小規模農家としては非常に高い売上が実現していると見られる。
編集部コメント
食品の生産から販売までの新たな流通経路を構築することで、市場価値を出しづらかった生産者が利益を出せるように転換した事例です。システムによって小規模な事業者が直接消費者に商品を提供できるマーケットを作る本事例の発想は、異なる業界でも活かせそうです。