農作物の生産から流通までを変革するSaaS型プラットフォーム

企業名

株式市場

非上場

創業

2015年

従業員数

資本金

8,925万円(2022年11月時点)

売上高

主な事業

農産物流通特化型SaaS “nimaru”の運営
情報システムの設計、開発
青果店及び加工販売店舗の運営

※2022年12月時点/公式ホームページより引用

概要

  • Saas型の農産物流通管理プラットフォームを開発
  • 出荷者と流通事業者の集荷や販売情報の連絡、関係書類の作成などをオンライン化
  • 定型作業の負荷を解消し、より高価値な業務に注力できるように

DXの動機・背景

近年ではD2Cをはじめ多様化してきた農作物の流通だが、主流な流通経路は依然として卸売市場を介したものであり、国産の青果物ではおよそ80%が該当している。農作物が工業製品と異なる一番大きな点は、天候や生育状況による収穫量の変化である。そのため農家と流通業者は緊密なコミュニケーションを要するが、こうしたやりとりは電話やFAXを中心としたアナログな手法が中心である。流通業者側は複数の生産者から口頭や書面で得た情報を元に、逐一集計したり、システムに入力したりする作業が発生し、業務の長時間化や属人化に繋がっている。

経過・対応・取組内容

株式会社kikitori は流通業務の効率化や可視化を行うツール「nimaru」を開発。「nimaru」を利用することで、生産者である農家はあらかじめ流通業者側で設定した項目をメッセージアプリで入力し、出荷情報を流通業者に送信することが可能だ。当初はネイティブアプリでの開発を試みたものの、ダウンロードやログインの手間から利用率が伸び悩んだことから、日常的に使用されているメッセージアプリを利用することにしたという。
送信されたデータは流通業者側の基幹システムに取り込みも可能。帳票の作成や販売価格の自動通知といった機能も実装できる。

得られた成果

個別の電話連絡や入荷情報の集計作業が自動化されたことで、導入企業では販売提案のような付加価値の高い業務に労力を割り当てられるようになったという。また入荷の予定と実数量のギャップが小さくなった事も評価されている。

編集部コメント

農業の中でも流通に着目した事例です。60代以上のスマートフォン所持率は90%を超えるといわれており、高齢化傾向がある農業においてもスマートフォンを介したシステムを利用してもらう事例が見られるようになりました。ただし利用できる環境・リテラシーがあることと、高い利用率が維持できることは別の問題です。「nimaru」の事例ではこの課題に対して、日常的に利用するメッセージアプリを活用する、という手段を採用した点に注目したいです。

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