商店街の情報伝達アプリとAIを活用した来街者把握

企業名

株式市場

創業

従業員数

資本金

売上高

主な事業

概要

  • 商店連合会と店舗間の情報伝達と来街者数の把握に課題
  • 回覧板アプリを開発してスムーズな情報伝達へ
  • カメラとAIで来街者数を把握する仕組みを構築

DXの動機・背景

東急池上線沿い、全長1.3kmと関東有数の長さを誇る戸越銀座商店街では、活性化のための様々な施策が行われている。それら施策の実施には、各店舗との強力な連携が必要不可欠だ。しかし、商店連合会から店舗への連絡は紙で回覧されており、店主の手元に届くかは不確実だ。商店街の全店舗で足並みを揃えようとしても、迅速な情報伝達が難しいことが課題になっていた。またもうひとつ、異なる課題があった。それは商店街の来街者調査だ。商店連合会では活性度合の調査として、年に数回ではあるものの、商店街の通行量を調査していた。とはいえ、様々な活性化施策の効果を測るには、年間を通じた継続した来街者の把握が望ましいと考えていた。

経過・対応・取組内容

商店連合会と店舗の新たなコミュニケーションツールとして、回覧板アプリを開発し、紙での情報伝達を廃止した。これにより店舗を不在にしていても、リアルタイムで商店連合会からの連絡事項が受け取れるようになった。この回覧板アプリにはアンケート機能も搭載されており、新しい施策を実施する際などに、店舗の意思確認をすることにも役立っている。
また、商店街内に設置したカメラの画像をAIで解析することで、来街者数を把握する仕組みも構築した。このシステムは、来街者数から曜日・時間帯別に、混雑の傾向を分析することが可能だ。分析した結果は、商店街内に複数設置されているデジタルサイネージ上に表示されるので、商店街の利用者が混雑を避けることに一役買っている。

得られた成果

回覧板アプリにより、商店連合会から店舗への情報伝達が、迅速かつ確実に行われるようになった。アプリに実装されているアンケート機能は、新しい施策を実施する際の意思決定にかかる時間を短縮することに役立っている。また、来街者数が年間を通じて継続的に把握できるようになったことで、データに基づいて変動要因の仮説が立てられるようになった。商店街全体あるいは店舗ごとのプロモーション設計にも活用できるようになったので、現状分析・施策検討への活用が期待されている。

編集部コメント

商店街の活性化に取り組むための、土台となる仕組みを構築した事例です。一連の取り組みのなかでも、特に来街者の把握は、データに基づいて改善するサイクルを実現するための基盤になる部分です。施策を数値で振り返ることができるようになったことは、今後の商店街運営において大きな転換点と言えます。

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