概要
- 保育の現場で抱える問題をICT技術によって解決する「スマート保育園」を推進
- 業務負荷の解消によってより子供や保護者とのコミュニケーションを取る余裕を作る
DXの動機・背景
保育の現場では、保育士は事務作業を含めた様々な業務に日々忙殺されており、じっくり子供と向き合ったり、保護者と緊密なコミュニケーションを取ったりすることは簡単ではない。その多忙さは離職率の高さ・潜在保育士(資格を保有するものの保育士として就業していない者)の高さにも現れている。
原因のひとつは様々なアナログ業務だ。登園記録や連絡ノートの手書き記載や、お昼寝時に5分おきに行われる姿勢チェック(午睡チェック)をはじめ、人の目・人の手による業務が一日中続く。ユニファ株式会社では、これらアナログな業務をICTによって自動化・効率化し、保育士がより子供のことを考え、保護者とコミュニケーションを取る時間を確保するために、様々な保育園向けサービスを提供している。
経過・対応・取組内容
同社では保育施設向けツール「ルクミー」シリーズを提供している。例えば「ルクミー午睡チェック」では、児童の肌着やパジャマに装着するセンサーが睡眠中の身体の向きを検知することで、従来お昼寝の間に5分おきに実行していた姿勢チェックと手書き記録を自動化(あるいはシステムと人の目の両方によるダブルチェック)することを可能にした。
また「ルクミ―フォト」のように、保護者とのコミュニケーションをより直接的に支援するサービスも提供している。「ルクミ―フォト」では、園内での日常写真をスマホアプリ経由で撮影し、クラスごとに整理したり、管理・販売したりすることがアプリ上で実行できる。
その他にも登園記録や連絡帳など様々なサービスが展開されている、
得られた成果
2022年の時点で全国60の自治体・15,000件以上の施設に導入されており、導入施設の中には、約65%の業務時間削減を実現したケースもある。同社が提唱する「スマート保育園」の概念に則り、保育の現場をICTによって支えるサービスが拡充されている。
編集部コメント
手書きの連絡帳や園の廊下に貼り出されたイベント写真のようなアナログさは、人の暖かさを感じる一方、効率が犠牲になっている側面も否めません。アナログを美徳とする感覚は保育の現場に限らず、また一概に悪いものではありませんが、本質的な価値提供のために本当に必要なアナログ業務かどうか見直すことで、適切なリソース配分が実現されることもあるかもしれません。