概要
- 後付け型のワイヤレス聴診器「ネクステート」の開発・提供
- 心音など生体音声をデジタル化し、音量調整やワイヤレス化を実現
- Bluetooth対応が聴診器を新しい用途へ広げる
DXの動機・背景
聴診器の基本的な構造は、その登場から約200年間変化していないという。耳にかけるその構造上、小児科医がときには数百人の児童を診察する学校検診では、聴診器の付け外しが頻繁に発生し、医師の耳が痛くなるという難点があった。株式会社シェアメディカルは、現代の音響技術を活用すればより良い聴診器がつくれるのではないかと考えた。
経過・対応・取組内容
同社はデジタル聴診デバイス「ネクステート」を開発した。心音などの生体音をデジタル化することでワイヤレス聴診を可能にするデジタル聴診器だ。チェストピースと呼ばれる患者の胸部に当て音を拾う丸い金属部分にデバイスを連結することで使用が可能。内蔵されたデジタルシグナルプロセッサによる生体音の強調処理により、より聞き取りやすくしている点も特徴だ。
得られた成果
ワイヤレス化による利点のひとつが、ヘッドフォンやイヤホンを使って音を聞き取ることができ点だ。これにより従来の聴診器で発生していた、つけ外しによる耳への負担が解消された。また加齢などの聴力低下によって心音が聞き取りづらいという医師からも好意的な反応を得ている。また、スピーカーに繋げて複数人で音を聞くことや録音が可能になったことで、複数の医師の間での情報共有やディスカッション、医学教育への活用が可能になるなど、様々な手段での活用が見出されている。
編集部コメント
医療現場で使用される聴診器をデジタル化する事例です。200年以上変化が無かった聴診器という、医師にとっての当たり前をアップデートすることで、医師本人が気付かなくなっていた不便さを解消しています。