概要
- 業界の変化に対応するため、自社ECを強化しオムニチャネル化
- ECと実店舗の垣根を撤廃したユニファイドコマース戦略を推進
- クロスユース会員の増加と、売上高510億円を達成
DXの動機・背景
株式会社ベイクルーズは、アパレルを中心にライフスタイルに関連する事業を幅広く行っている。アパレル業界においては、変化に対応できるか否かによって会社の収益率に差が生じている状況だ。特にコロナ禍においてはOMO(Online Merges with Offline)への取り組みが着目されていた。
同社では変化に対応するため、自社ECの基盤を強化。データ資産の融合と組織体制の構築のため、エンジニアやデザイナーを積極採用し、EC戦略の軸を自社に置く内製化を進めてきた。
2014年よりオムニチャネル戦略を推進し、2016年には完了。統合プラットフォームを作り上げた。2017年から新たな成長戦略として掲げたのが、包括的なユーザー体験の向上を目指すユニファイドコマースだ。
経過・対応・取組内容
同社はユニファイドコマース化にあたり、オムニチャネル化による統合プラットフォームをベースに、ECと実店舗の垣根を撤廃した。すべてのチャネルで集めたデータやサービスをリアルタイム共有することで、どのチャネルにおいても顧客一人ひとりに合ったサービスを提供できることを目指した。例えば、お気に入り登録した人には在庫数が少なくなったことや値下げ情報を、カートに入れたまま購入していない人には買い忘れリマインド通知をするなど、個々に最適なコミュニケーションを実現。リアルタイムパーソナライゼーションに注力し、CRM強化を図った。
得られた成果
ECと実店舗の垣根を取り払ったことで、両方のチャネルで購入するクロスユース会員が増加、その割合は50%を超えた。コロナ禍においてもクロスユース会員による店舗売上高も上昇。また顧客ロイヤルティも向上しており、売上に影響を与えている。
ユニファイドコマース戦略導入後の2020年8月期の売上高は510億円となり、前年比129%を達成。コロナ禍においても業績を伸ばすことに成功した。EC売上高のうち、自社ECの売上は77%に拡大。5年で6倍という驚異的な成長を見せた。
編集部コメント
株式会社ベイクルーズのDXでは、長い年月をかけて事業構造改革に積極的に取り組んできたことが成果に結びつきました。販売チャネルを限定せず、オンライン・オフラインを横断し、ユーザーにとってどんな体験が最適かを考えるユニファイドコマースの好事例です。