魚の買い付け業務をアプリ化し紙運用から脱却

企業名

株式市場

非上場

創業

1976年

従業員数

1,125人(2023年3月時点)

資本金

1億円

売上高

408億2914万円(2023年3月期)

主な事業

鮮魚店等のグループ会社の経営方針策定および経営管理等

※2023年9月時点/公式ホームページより引用

概要

  • 魚の買い付けは紙が多用されており人的ミスが発生しやすい
  • 買い付けアプリを開発、オンライン化する
  • 紙運用を脱却し一部業務の削減にも成功

DXの動機・背景

角上角類グループは新潟県と埼玉県に本社を構え、1都7県で鮮魚店を展開している。店舗で並べられる商品は、バイヤーが店舗からの発注をもとに、卸売市場での買い付け・店舗への配送されている。買い付けでは店舗からの紙の発注書と、「セリ原票」と呼ばれる買い付けした商品の情報を記載する紙が利用されている。これらの紙は主に手書きのため、買い付け間違いや誤配送が生じることがあり、商品を受け取る店舗側の売上に影響を与えうる問題であった。またセリ原票はFAXで本社に送られ、本社の従業員が基幹システムにデータを約3時間かけて手入力するため、業務上の負荷にもなっていた。

経過・対応・取組内容

同社は買い付けに伴う諸問題の解決のため、業務アプリケーション「セリ原票アプリ」を開発した。これまでバイヤーが紙に書いていた買い付け商品の情報を、セリ原票アプリが入ったタブレット端末に入力する。従来は電卓を使用して計算していた数量や金額も、アプリで自動計算されるようになったため、計算時間の削減はもちろん、情報の正確性が増した。また、入力したデータは直接基幹システムに反映されるため、本社従業員による情報の手入力が不要となった。

得られた成果

同社によれば、アプリの利用により買い付け業務が肌感覚で1時間ほど短縮できているとのことだ。また、セリ原票は年間で6000枚以上に及ぶと試算されており、アプリ化による紙の削減・データ入力業務の削減には大きな効果があったと考えられる。加えて買い付け実績のデータが蓄積されるようになったため、新人教育にも一役買っている。

編集部コメント

商品の買い付けは、角上魚類の売上に大きな影響を与える重要な業務です。今回のような買い付け業務を効率化しより正確にするための取り組みは同社の経営にとって大きな意味を持つでしょう。買い付けデータが蓄積されることにより新たなビジネス展開も見込めるかもしれません。

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