オンライン学習やタブレットを採用したそろばん教室

企業名

株式市場

非上場

創業

1973年

従業員数

資本金

1,500万円

売上高

主な事業

そろばん教育事業(直営教室「石戸珠算学園」の運営、加盟教室への教育ノウハウの提供、「インターネットそろばん学校」の開発・販売、珠算教師資格コースの運営、新規開校の支援)

※2023年4月時点/公式ホームページより引用

概要

  • そろばん業界で生き残るためにデジタルを活用した専門性の強化
  • オンライン学習やタブレット学習の導入で一人ひとりにあった学習
  • そろばん教室で随一の知名度を獲得し、事業が成長

DXの動機・背景

株式会社イシドは、伝統文化としてのそろばんの価値を伝えながら、しつけ教育など付加価値の高いサービスを提供している。
DXに取り組むきっかけとなったのは、少子化やOA機器の普及などでそろばん業界が下り坂に入っていったこと。同業他社がほかの業種に手を出すなか、差別化して生き残るためには専門化だと決意した。
その手段として同社はe-ラーニングやタブレット導入によるデジタル化を推し進めた。

経過・対応・取組内容

そろばん教室をデジタル化するにあたって、「いしど式オンライン」と「いしど式タブレット学習」を展開した。
いしど式オンラインとは、オンラインミーティングアプリを使ったそろばんのオンラインレッスンのこと。全国珠算連盟の教師資格をもった講師との、生徒1人~3人までの少数指導で、そろばんの能力開発を目指した。
いしど式タブレット学習は、一人ひとりに最適化された学習アプリを使い、自分のペースで進めながら学ぶ楽しさを提供している。アプリには学習履歴確認機能が搭載されており、保護者が進捗を確認したり、講師が子どもに合った指導をしたりすることが可能だ。

得られた成果

いしど式オンランやいしど式タブレット学習の導入は、そろばん学習に有用なだけではなく、子どもが学習に意欲的になったり、集中力や記憶力、判断力といった基礎能力を高められたりするという評価も受けた。
さらに、子どもの出欠状況や検定情報の確認、講師との連絡などがパソコン・スマートフォンから簡単にできるWEBサービスを構築したことで、保護者へ安心を提供することにも成功。
こうしたデジタル化を進めて専門化したことで「そろばんといえばいしど」という認知が広まり、競合のそろばん教室が衰退するなか、事業の成長が可能になった。

編集部コメント

業界全体が苦境に立たされる中、デジタル化による専門化という英断によってサービスをアップデートした事例です。伝統的なもの、アナログなものにデジタル技術を取り入れることで、事業そものの提供価値を変えずに、新しい提供形態を生むことができる可能性があります。

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