概要
- 不動産仲介の査定業務を、AIを用いたツールで大幅効率化
- 自社事業に利用していたAIツールをSaaSとして外販、大きな反響
- 不動産以外の分野でもAI・クラウドツールを販売し中核をなす事業にまで成長
DXの動機・背景
SREホールディングス株式会社(旧ソニー不動産株式会社)は、不動産業を手掛けるソニーグループの企業として創業した。当初は自社の不動産仲介業務を効率化するためにデジタル技術を駆使していた。例えばAIは同社を代表する技術分野だ。一般的にまだAIが浸透しているとは言い切れない時期である2014年に、同社はAI査定技術を採用。このAI査定によって通常数時間はかかる査定業務が数分で完了し、属人性も解消されたという。
経過・対応・取組内容
自社の不動産仲介業にデジタル技術を適用していく過程で開発したツールを、競合である他の不動産企業にも提供するようになった。SaaS型で提供されたこれらのツールは、僅か2年ほどで全社利益の大半を占めるまでに成長し、更にこうした技術を不動産のみならず様々な業界に提供するようになった。
得られた成果
他社へのDX支援事業は、現在では「AIクラウド&コンサルティング事業」として同社の中核を担うビジネスへと成長。不動産分野においてもAI技術をフル活用した仲介事業を継続している。
編集部コメント
自社のDXで得られた技術や知見を外販するようになった事例です。SREホールディングス株式会社の特徴は、祖業である不動産仲介をふまえたDXコンサルティング・支援である点です。成功したDXの経験は、それ自体が資産になりうる資産になる、という好例です。