概要
- 廃棄予定の食品を出品・購入できるフードシェアリングアプリの開発
- 近年のフードロス問題解決のため、ヨーロッパの事例を参考に考案
DXの動機・背景
食品としての品質には問題がなくても、規格外だったり売れ残りだったりして廃棄せざるを得ない「フードロス」は、国内で年間約612万トン、そのうち半分以上が小売店や飲食店などを含む事業者から発生しているとされている。株式会社コークッキングでは、近年ヨーロッパで浸透しつつある廃棄される食品と消費者をマッチングさせる「フードシェアリング」に注目し、日本でもこうした取り組みを実現しようと試みた。
経過・対応・取組内容
同社はフードシェアリングアプリ「TABETE」を開発した。小売店や飲食店で閉店までに売り切ることが難しい食品を出品・販売することができるアプリだ。中には試作品やまかない品を出品している店舗もあるという。ユーザーはアプリから店を検索し予約・事前決済をし、予約時間に店で受け取ることができる。販売価格帯に応じて販売手数料が設定されており、事業者側は固定費を支払うことなく利用することができる。
得られた成果
導入店舗における処分金額が平均で87%削減しているという。ユーザーは30~40代の女性を中心に、毎月6,000人ほど増加しているとのことだ。
編集部コメント
SDGsが提唱されるようになった近年、フードロスに対する意識は高まっています。こうした社会問題に対する取り組みのひとつとして、廃棄されるはずのモノを扱ったマーケットプレイスは、食品以外でも応用できそうな発想です。また本事例では、出品側に月額料金が発生しない点も着目に値します。「フードロスが極めて少なく利用しない月もある可能性があるのではないか」という理由ですが、こうした出品側に対する理解度の高さも利用者・出品者を増やしている一因といえるでしょう。