人口約5,000人の町が日本初のNFT住民票で”関係人口”を拡大

自治体名

株式市場

創業

従業員数

資本金

売上高

主な事業

概要

  • 地方自治体として高齢化と人口減少に起因する収入源が課題
  • 観光ターゲットをスキー客から若者や富裕層にシフト
  • 「デジタル住民票NFT」の発行により『関係人口』の増加に成功

DXの動機・背景

山形県西川町は日本百名山の一つとされる月山の麓にある人口約5,000人の小さな町だ。観光地として名高く、特にスキー場は夏でも楽しめることから、多くのスキーヤーに知られている。しかし多くの地方自治体と同様に、少子高齢化による人口減少に直面していた。人口の減少は財源の不足に繋がり、インフラの維持も困難になることを意味している。町としての継続的な財源を確保するためには、従来のスキー客から、最終的には移住を目標として若者や富裕層へと観光のターゲットを変える必要があった。そうした課題から、地域と様々な形で関わりを持つ『関係人口』の創出に取り組んだ。

経過・対応・取組内容

西川町は、日本の自治体としては初の「デジタル住民票NFT」を、NFTマーケットプレイスを運営するメディアエクイティ株式会社と連携して発行した。デジタル住民票NFTの保有者は、西川町のデジタル住民として公言することが認められる他、町長の参加するオンラインコミュニティでは、西川町の課題に対してコメントしたり投票したりすることで、地域復興プロジェクトに参加できるようになる。また町内の温泉施設の入浴が無料になるなどの特典を受けることができる。

得られた成果

デジタル住民票NFTは1個1000円、1000個限定での販売であったが、13倍以上の1万3440個の購入申し込みを獲得し、即座に完売となった。またデジタル住民票NFTの発行以降、西川町が運営するLINEオープンチャットのメンバーが1500人まで増え、うち4割はデジタル住民や西川町に関心のあるメンバーだ。NFTを購入したデジタル住民らは、観光ツアーを提案したり、町外のイベントにボランティアとして参加したりすることで、積極的に地域に関っているという。

編集部コメント

全国的に人口の減少が続くなかで、各地方自治体によって様々な取り組みが行われています。本事例で言及された『関係人口』は、地域に外部の人材が関わり、新しい取り組みを生む契機になることが期待されており、いずれは定住する可能性も含め、今後の地域づくりに重要な役割を担うとされています。西川町は若者・富裕層をターゲットにしつつ、こうした先端技術に明るいイメージを作り出し、地域外の人々と交流する契機としてNFTを活用した好例です。

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