概要
- 町工場向けに、遊休設備の企業間シェアリングサービスを提供
- 小規模製造業にとって大きな負担である設備の繁忙期・閑散期の需給を均衡化
- 企業間で直接売買することで中間マージン負担の削減も
DXの動機・背景
製造業、特に小規模な町工場にとって、一定規模の設備投資は社運を左右するほどの投資だ。こうした町工場では大手取引先からの発注を請けて製造を行うが、元請けの仕様変更などによって取引が消滅すれば、経営に大打撃を受けることは少なくない。消費者ニーズの流動性が高く、柔軟な対応性が重要視されている昨今では、必要な設備を常に自前で用意することは困難だ。
経過・対応・取組内容
株式会社Sharing FACTORYでは、町工場向けの、遊休設備の企業間シェアリングサービスを開始した。遊休設備を保有している企業と、設備を求めている企業をオンライン上でマッチングさせ、貸出・売買ができるプラットフォームだ。
得られた成果
主に計測機器を中心に利用を伸ばし、2020年10月時点で会員企業数は約700に達するという。純粋なシェアリングとして資産を有効活用するという点に加え、繁忙期に設備を増設したくてもメーカーの納品が間に合わないケースなどにも有効活用されているとのことだ。
編集部コメント
株式会社Sharing FACTORYは、日本特殊陶業株式会社の社内ベンチャーとして誕生しました。本事例の着想に至ったきっかけのひとつが、フリマアプリや民泊などの個人間シェアリングサービスだったと言います。近年少しずつ企業間シェアリングサービスが盛んになっていますが、本事例のような取り組みが浸透すれば、今後ますます定着してくるかもしれません。