“紙”の帳票をシステム化し合理的・スピーディなリソース配分

企業名

株式市場

非上場

創業

1935年

従業員数

資本金

1,000万円

売上高

主な事業

精密機器部門
ピアノ・中重量物部門
引っ越しサービス部門(ハトのマークの引越・熊本西センター)
厨房・空調機器部門
企画物流部門
ヒサノトータルサービス株式会社(リビング部門・リボン工房)

※2023年4月時点/公式ホームページより引用

概要

  • 精密機器輸送のオーバーブッキングを防ぐため業務プロセス改善
  • 手書きの帳票をシステム化して暗黙知を解消、配車を効率化

DXの動機・背景

株式会社ヒサノが手がける数々の業務の1つが運送・機械機器設置業である。同社では作業に必要な配車や人員配置、受注情報の管理を、紙や電話で行っていた。
しかし、2016年4月に起きた熊本地震の復興需要で業務が逼迫したことで、繁忙期のオーバーブッキング・大型プロジェクトの人員不足といったリソース配分の問題が生じうる状況であることが明るみになった。
改善のための社内ヒアリングを重ねる傍ら参加したIT経営セミナーをきっかけとして、受発注システムの作成など、3つのデジタル技術を活用した取り組みを行うことを決めた。

経過・対応・取組内容

同社は業務プロセスを分析し、まずは受注情報から自動的に配車を行う「横便箋システム」を構築した。「横便箋」とは、従来同社で利用していた、どの車両でどの時間帯に何をするのか、といった情報を記載していた“紙”の帳票だ。
また、倉庫業へ新規参入する際には、出入庫管理をクラウド上で行える倉庫管理システムを構築し、ウェアラブル端末を用いた現場の管理業務を可能にした。

得られた成果

「横便箋システム」によって、従来事業所ごとにそれぞれ管理していた紙の帳票がクラウド上に一元化された。本社のある熊本と各営業所が効率的に情報を共有できるようになり、配車がスピーディに行えるようになった他、担当者の暗黙知として存在していた配車のノウハウが標準化されたという。
また「横便箋システム」と倉庫管理システムが連動することで、倉庫への入庫から保管、納品先への設置、調整までを一貫したサービスとして提供できるようになったことも、大きな成果だ。

編集部コメント

情報が統一されたフォーマットで一元管理されていない環境では、自然とノウハウが担当者の暗黙知として頭の中に蓄積し、属人化が進行しやすくなります。本事例では、業務量の急増をきっかけにこの問題に気付き、外部のコーディネーターの助力を経て、標準化を実現しています。

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