概要
- ECと同等の購買体験がリアルの店舗とも可能なアプリ
- 近隣店舗のスタッフにチャットで相談、商品は取り置き・オンライン購入が可能
- ユーザーはリアル店舗の在庫情報をアプリ上で確認可能
DXの動機・背景
EC市場が伸びている一方で、服やコスメなどライフスタイル分野の商材は偶発的に店頭で見かけたり、店員に勧められたりして、明確な意思決定なしに購入することも多く、そうしたきっかけを作るリアル店舗の役割は大きい。また店舗の価値を売上での損益のみで評価してしまうと、新規顧客の獲得や生涯顧客価値といった事業全体として重要な価値を見逃す可能性がある。店舗を売上だけで評価するのではなく、それ以外の価値でも判断できるようにすべきだと考えた。
経過・対応・取組内容
スタイラー株式会社は店舗の在庫をデジタル化し新しい顧客体験を提供するOMOアプリ「FACY」の提供をリリースした。セレクトショップなど近くにある店舗の在庫を閲覧することができ、チャットで店舗のスタッフに直接問い合わせなどができる。服の素材感やサイズ、コーディネートについての相談を送信すると、スタッフが回答する。気に入った商品があった場合は店舗での取り置きもしくはオンライン購入が可能。購入方法問わずアプリを通じた売上の20%を手数料として店舗から取得する。
得られた成果
2021年4月の正式リリース後は順調にユーザー数・売上が成長。同年6月には実店舗の商品情報と連携する「店頭在庫連携システム」により、ユーザーが店舗の在庫状況をアプリ上で確認できるようになった。これにより、従来ECでは可能だったリアルタムな在庫確認が実店舗においても実現し、リアルとオンラインの境目のない購買体験の提供に前進した。
編集部コメント
オンラインとオフラインの垣根をなくした体験を目指すOMO(Online Merges with Offline)の観点で考えるなら、例えばオンラインのチャットで相談しリアルな店舗で購入する(あるいはその逆にリアル店舗で店員に相談しオンラインで購入する)という体験はできて然るべきと言えます。また、こうした体験が今後増えていくとすれば、店舗それぞれの最終的な売上のみで事業への貢献度を図るのではなく、トータルな購買行動・生涯顧客価値に対しどれだけ店舗が貢献しているかを見るべきだ、という考え方に従って自社事業の評価指標を再定義していくことが求められるようになるのではないでしょうか。
参考・出典
- FACY(フェイシー) – プレミアムショップの商品を問合せ、取置き、即日配送するアプリ
- お得に!早く!ブランドやセレクトショップの店頭商品が買えるアプリ「FACY(フェイシー)」が正式サービスを開始|スタイラー株式会社のプレスリリース
- 都市に溢れるモノを可視化し購入支援:OMOアプリ「FACY」 | Fashion Tech News
- アパレル店員とのコミュニケーションを通じた購買体験を提供するアプリ「FACY」で、オフラインの生活を豊かにーースタイラー株式会社 | | Startup Times
- 【日本発!起業家の挑戦】Facyでファッションの購買体験変える – SankeiBiz(サンケイビズ)