概要
- 農作業を自動記録する営農支援ツール「アグリノート」
- 手書きで記録していた播種から収穫までの農作業履歴をデジタル化
- 航空写真マップを活用した視覚的な團場管理でデータに基づいた営農へ
DXの動機・背景
農業において限られた圃場で最大限の生産を行うためには、播種から収穫までの日数やそれまでの農作業の履歴をはじめとした様々な記録を残しておくことが重要。また農薬の利用に際しても使用量や使用時期といった農薬使用基準を満たしているか留意する必要がある等、生産プロセスの記録は農業において必須である。一方で、そうした記録は農作業の性質上、手作業になる傾向があり、特に経営規模の大きい「分散圃場」と呼ばれる農家・生産法人においては、この手書きの記録がボトルネックになり作業標準化や分担が不十分になることも発生しうる。
経過・対応・取組内容
「アグリノート」はこうした作業を記録・管理する、スマホ・タブレットで利用できるアプリ。インストールされたデバイスを持ち歩いて作業することで、航空写真をもとに登録された圃場での作業内容や時間を、GPS情報を活用して自動記録することが可能。データに基づいた効率的な農業を行うために最も重要かつ手間のかかる「記録」の負担を大幅に解消している。またオープンデータを活用し、肥料・農薬について農林水産消費安全技術センターの農薬データベースでそのまま調べることも可能としている。その他、コストと売上の自動計算による収支管理機能も実装。
得られた成果
データ収集の負荷を軽減し、活用しやすい形で管理・集計することで効率的な作付け計画や生産プロセスの合理化を促進。
編集部コメント
就農人口が減少していく中で生産を効率化していくことは最重要です。一方で実際に手を動かす農作業だからこそ、そうしたデータ収集の負荷をいかに軽減するかは大きな課題です。航空写真やGPSを利用して記録の負荷を大幅に解消、様々な管理機能で一次産業の合理的な経営をサポートしている事例です。