概要
- 家具の設計図の無償公開と、自力で製造できないユーザーに向けた有償の製造サービス
- 提携先の制作工場を世界各地に抱えることで、購入者への輸送コストを削減
DXの動機・背景
家具ブランドと製造・組立業者をつなぐマーケットプレイスの運営チームが、ある企業からの依頼を受けたときに「shareable hardware(共有できるハードウェア)」としての家具デザインを開発し、納品する現地で製造・組み立てることで、良質なデザインかつ手頃な値段のオフィス家具を両立する方法に思い至った。
経過・対応・取組内容
家具のデザイナー/クリエイター・制作工場・購入者をつなぐ事業を開始。家具の設計図はオープンソースとして公開されているのでデジタルデータとしてダウンロードし、自分で制作することが可能。自力での制作が難しい場合は世界各地で提携している制作工場のなかから購入者に近い工場に発注・製作することも可能。完全に組み立てた状態からパーツごとに切り分けた状態など、いくつかの状態から選択できる。これによって輸送コストを極力削減しつつ希望の家具を入手することを実現している。
得られた成果
サービス開始以降、デザインデータは数百件のダウンロードが毎月発生しており、ダウンロード元の地域も様々だ。2016年には一部対象エリアで、最短14日で家具が納品される短納期のサービスも開始した。
編集部コメント
ものづくりのうち、設計図と加工・製造の価値や拠点を分離し、低コストで高品質な製品を提供できる体制を構築した事例です。場所に縛られないデータである“設計図”をオンラインで提供し、実際の材料や加工の手間が発生する“製造”を各地の提携工場に割り振ることで、実質的な輸送コストを最小化している点は、製造拠点のシェアリングと言える発想です。
参考・出典
- 【DXで勝ち抜く具体例・その1】場を創造するビジネス:DXによる製造業の進化(4)(2/3 ページ) – MONOist
- 企業の競合はもはや個人。スタイリッシュな家具のオープンプラットフォーム「OpenDesk」 -Social Design News
- シリコンバレー101(528) グローバル時代に「メイドインUSA」と「地元回帰」の支持アップ | TECH+(テックプラス)
- 家具をオープンソース化!地産地消を推進する「Opendesk」が新サービスを開始 | Techable(テッカブル)
- OpenDesk: A Smart Open Design Startup is Born – Shareable