概要
- AIによって人力で行っていたチーズ製品の検査工程を自動化
- 製品の包装が基準通りに行われているか、AIの学習データを元に判断する
DXの動機・背景
国内のチーズ需要の成長に対応するために新工場を建設した六甲バター株式会社は、生産性の効率化のために設備導入などの様々な取り組みを推進した。それら取り組みのひとつが、AIを取り入れた最終製品の検品作業だ。最終製品の検品は人手で行われていたため、生産量拡大に対応するため設備を増設するほどに人員も増加するジレンマが存在した。中長期的に見て人員確保が難しくなることや、近年急速にディープラーニング技術が進歩したことで画像認識の精度が向上していることを踏まえ、検品作業の自動化に着手した。
経過・対応・取組内容
人力で行っていたチーズ製品の検査工程を、AIを活用して自動化した。包装機から高速で流れてくる製品を特殊な照明を当てて撮影し、AIの学習データを元に画像解析によって不良品を見つける。1分間に500個の製品をAIが検品し、不良品はエアーによる排出装置で排出される。
得られた成果
AIを活用したシステムによって、1分間に540個が流れる中でもスピードを落とさず検品。当該工程で必要だった人員が24人から4人に減らし、大幅な省人化を達成した。
編集部コメント
食料品製造工場におけるAIを活用した製造工程の自動化の事例です。本事例に限らず、製造業では画像認識による検品が試行錯誤されています。導入後すぐに人員を完全にゼロとすることは現時点では簡単ではありませんが、学習データの蓄積によって将来的な精度向上につながると考えれば、早期に試験導入することに意義はあります。