概要
- 高品質かつ安価な製品の提供と、卸売における接客改善を目指す
- QRコードを利用した生産管理や注文システム、生産状況の可視化
- 注文システムによって売上拡大や納期短縮を実現
DXの動機・背景
株式会社インテリックスは、オーダーカーテンの製造と小売・卸売を行っている。特徴は、企画や施工を含め自社一貫体制で請け負うことで製品価格を抑えるビジネスモデルだ。
高品質で安価なサービスを維持するためには、生産性の向上や効率化を追求していくことが必要だ。またオーダー製品という性質上、小売店舗の販売員には、顧客一人ひとりのニーズに応じた提案ができるだけの知識が不可欠だ。しかし、卸先店舗の販売員には教育が行き届かず売上拡大に行き詰まっていた。
同社はこうした課題に対応する中で、大きく分けて2つのデジタル化施策に取り組んだ。
経過・対応・取組内容
BIツールである「見える化モニター」を導入。リアルタイムで作業の進捗状況や不良の発生状況を、オフィスや工場の天井から吊るされたモニターで可視化している。必要作業がどの程度進んでいるかを常に共有することで、生産性向上を図った。
さらに、大手家電量販店と共同で「スマートオーダーシステム」を開発。顧客が店頭に設置されたテレビ通話システムで、同社の専門知識を持つアドバイザーに相談することが可能だ。またサンプル生地のQRコードを読み込むことでスマホから任意のタイミングで注文でき、注文時には本社工場にも直接の受注連絡が入る仕組みだ。
得られた成果
「見える化モニター」の導入により、1時間あたりの作業効率が11.2%向上しているという。不良品の発生にも迅速に対応できる他、進捗の遅れも素早くカバーできるようになった。
スマートオーダーシステムの導入は、オーダーカーテン販売のオムニチャネル化を推し進め、売上拡大や新販路開拓、納期短縮につながっているという。導入後は、自宅にいる顧客からの相談対応を可能とする新サービスを展開。提携した家電量販店の60店舗に設置され、無人店舗拡大の活路を開くことにも寄与している。
編集部コメント
同社は、一般的なカーテンの流通と異なり、商社やブランドメーカーを介さない自社一貫体制をとっています。低価格と高品質を両立するこの独特のバリューチェーンをデジタル技術で効率化している点が同社の強みを支えています。