コンビニのストック補充・陳列にAI搭載ロボットを導入

企業名

株式市場

非上場

創業

1981年

従業員数

7,023人(2023年2月時点)

資本金

166億5,900万円

売上高

主な事業

フランチャイズシステムによるコンビニエンスストア事業

※2023年10月時点/公式ホームページより引用

概要

  • コンビニエンスストアでの飲料補充業務は従業員の負担が大きい
  • 従業員に代わって24時間作業するAI搭載の商品陳列ロボットを導入
  • 高付加価値業務への集中や労働環境の改善に期待

DXの動機・背景

コンビニエンスストアで日常的に行われる商品陳列業務の中でも、とりわけ飲料の補充は作業者の負担が大きい。従業員は5度前後の低温に保たれた狭いバックヤードで作業をしなくてはならず、飲料は販売量が多いため頻繁に補充作業が発生する。特に24時間営業の店舗では、深夜帯は従業員がひとりだけということも少なくないので、補充作業がスムーズな接客の妨げになることもあった。

経過・対応・取組内容

ファミリーマートは2019年に経済産業省が設置した「ロボット実践モデル構築推進タスクフォース」に参画している。前述のような飲料補充の作業負担を解消するために、Telexistence株式会社が開発した、独自AIを搭載した商品陳列ロボットを導入し、2021年11月から運用をはじめた。
このロボットは狭いバックヤードでの作業が可能で、飲料補充業務を従業員に代わって24時間行う。AIによって冷蔵ケースの商品の充足状況を把握し、陳列する商品の把持点(ロボットアームでつかんだ際に安定して持ち上げることのできる点)を認識することで、陳列することができる。過去の販売データを学習することで、季節や売れ行きに応じて補充タイミングを最適化している。なお陳列に失敗した場合には、インターネットを経由して遠隔での操作に切り替え、復旧させることができる。

得られた成果

このロボットは24時間で約1000本の飲料を陳列することが可能だ。商品の陳列業務を自動化することで、従業員は接客などの付加価値の高い業務に集中することができることに加え、労働環境や採算性の改善も見込んでいるという。ファミリーマートでは2022年8月以降、同型のロボットの導入店舗を300にまで拡大するとしている。

編集部コメント

「ロボット実践モデル構築推進タスクフォース」が対象としている分野のうち、小売分野では、商品陳列や在庫管理、決済の自動化が取り上げられています。本事例は、こうした領域での先行事例として取り上げられています。小売店では商品の仕入れ・陳列から接客まで幅広い業務を少人数でカバーする必要があるため、特定の業務を長時間連続して行うことができるロボットの強みが活きると言えます。

 本記事についての情報提供やご意見・ご指摘等ございましたらこちらのフォームより「その他のお問い合わせ」にてお知らせ頂けますと幸いです。