献立作りとコミュニケーションで家族の食卓を豊かにするアプリ

企業名

株式市場

東証プライム

創業

1949年

従業員数

資本金

538億8700万円

売上高

主な事業

持株会社

※2023年11月時点/公式ホームページより引用

概要

  • 食材の在庫にあわせた献立作りや調理は骨の折れる家事
  • 作り手以外の家族が食に無関心だと気持ちも報われない
  • 家族が食に参画し、食材購入から調理までを支援するサービスを開始

DXの動機・背景

共働き家庭も増える昨今、日々の食卓の用意に頭を悩ませることも増えている。仕事や育児に追われるなかで時間をやりくりして、冷蔵庫の食材や、家族の好き嫌いに合わせて献立を考えることの大変さは、実際に台所に立つ人にはよくわかるだろう。そのうえ、作り手以外の家族は、案外食に対して無頓着だ…ということも少なくない。報われない気持ちを持ちながら毎日献立を考え、食事の準備をしていると、頑張ることに疲れてしまうこともあるだろう。

経過・対応・取組内容

サッポロホールディングス株式会社は新規事業として、食材情報を買い物から献立づくり、調理までシームレスに繋げることで、レシピの提案や家族の”食”への参加を促すアプリ「うちれぴ」の提供を開始した。
「うちれぴ」には食品メーカー監修のレシピが約20,000件掲載されており、ユーザーが登録する食材の在庫に応じてレシピが提案される。東芝データ株式会社の「スマートレシート(※)」と連携すれば、食材を自動で登録することも可能だ。「ごはんトーク機能」では、メニューをLINEで家族と共有・相談したり、食後の感想を送ることができる。シームレスに家族と食に関するコミュニケーションを促すことで、食事の準備から家族で関わる機会を創出し、作り手が充足感を得られる仕組みになっている。対応するスマート調理家電がある場合は、選択したレシピを送信することで、スムーズな調理が開始できる機能も備えている。
※専用アプリで表示されるバーコードを対象店舗でスキャンするとアプリ上でレシートが確認できるサービス

得られた成果

「うちれぴ」はベータ版リリースから約1年半で4万4300人のユーザーを獲得した。食材の購入から実際の調理までを「うちれぴ」でカバーしているので、通常のPOSデータやレシピ検索履歴だけでは追えない、購入から食事までの行動データを得られるという点から、今後は異業種と提携して新たなソリューションを検討していくとのことだ。

編集部コメント

近年ではフードテックも盛んになっています。食材の在庫に応じてレシピを提案するサービスは様々ありますが、本事例は料理の作り手以外の家族も含めたアプローチという点が独特です。食卓は作る人と食べる人が存在するからこそ成立するというあたりまえに着目し、心理的にも豊かな食生活を実現するというコンセプトをうまく事業化した事例です。ビジネスとしての観点では、購入や消費などの単体のタッチポイントではなく、食卓を囲むまでの一連の行動データを収集できることで、アプリを起点としてさまざまな展開ができるという強みがあります。

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