概要
- 24時間365日スマホで医師にオンライン健康相談ができるアプリ「LEBER」
- アプリに入力された体温・体調は自動で集計される
- 法人向けもあり
DXの動機・背景
諸外国と比較した場合、人口1,000人あたりの医師数はOECD平均の3.5人に対して日本では2.4人であり、医師の不足が問題となっている。日本の場合は比較的軽微な診療も含めて国民1人あたりの受診回数が多い傾向があること、医師の役割が拡大していることなどにより負担は増大している。
経過・対応・取組内容
医師不足が叫ばれる中、オンライン診療サービスや医療情報システムに代表されるヘルステックの導入によって医師の診療・患者の受診双方から効率化を図る試みが盛んだ。こうした技術を提供する企業のひとつである株式会社リーバーはオンライン健康相談サービス「LEBER」の提供を行っている。
オンライン健康相談とは、医師法上の医療行為(医行為)に該当する“オンライン診療”と異なり、医学的判断を伴わない遠隔健康医療相談だ(厚生労働省「オンライン診療の適切な実施に関する指針」参照)。
チャットボットの問診を元に、症状や市販薬の候補を提示することで医師が素早く判断を下せることを可能にしている。患者にとっては迅速な回答が得られることで来院の緊急度を認識することができ、医師としては域内の医療リソースを合理化していくことにつながる。
得られた成果
特に医療利用が逼迫したコロナ禍においてオンライン健康相談のニーズは爆発的に増加し、「LEBER」の導入は拡大、政府が推奨する「健康観察アプリ」に認定された。茨城県では教育機関向けの「LEBER for School」が1,000校を超え、生徒の健康管理に活用されると共に、学校職員の書類作成や連絡の負担軽減に大きく貢献。
編集部コメント
慢性的な人手(医師)不足である医療現場において、オンライン・オフラインを問わず医師を介する診察以前の健康診断は、トリアージ(治療優先度の設定)のような役割を担っています。人手不足のなかで優先すべき対応にリソースを振り分けるための技術活用は、医療現場のみならず、例えばカスタマーサポートなどとも類似した発想です。
参考・出典
- LEBER(リーバー) | いつでもどこでも医師と相談、健康観察アプリとしての機能も充実しています。
- バーチャルでセルフメディケーションを補完 医療相談アプリ「リーバー」が受け入れられる理由(前編) | 未来コトハジメ
- 1年で利用者は14倍に 医師と患者に「優しい」健康相談アプリ | 2021年3月号 | 事業構想オンライン
- 日医総研リサーチエッセイ No.77 医療関連データの国際比較-OECD Health Statistics 2019- / 日本医師会総合政策研究機構
- オンライン健康相談について日本医師会の提案 – 公益社団法人 日本医師会
- オンライン診療の適切な実施に関する指針 – 厚生労働省
- 健康観察アプリ「LEBER for School」、導入学校数1,000校を突破 | LEBER(リーバー) いつでもどこでも医師と相談、健康観察アプリとしての機能も充実しています。